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M&A仲介会社・FAの選び方:比べる7つの点と、面談で聞く質問
仲介会社やFAを選ぶときに比べる7つの点を、国のガイドラインと各社の公開情報で説明します。面談でそのまま使える質問リストつき。
確認 2026-10-04
目次(12項目)
はじめに:1社だけで決めない
中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」は、相談先を複数比べて決めることが大切だと書いています。ホームページや担当者から、次の点を確かめるよう勧めています(中小M&Aガイドライン第3版)。
- 仲介かFAか(立場)
- どこまで手伝ってくれるか(業務の範囲)
- 契約の期間
- 手数料の体系
- M&Aの実績(件数や年数)と、利用者の声
ガイドラインは、いわゆる「相性」が大切なこともある、とも書いています。この記事では、比べる点を7つに分けて説明します。
契約の前に、手数料と条件を書面でもらい、持ち帰って比べてください。ガイドラインは、検討の時間を十分に与えるべきだとしています。
最初に:国の登録と、行政の公表を確かめる
M&A支援機関登録制度
国には「M&A支援機関登録制度」があります。ガイドラインを守ると宣言した仲介会社やFAが、登録を受けられる制度です。
- 登録していなくても、仲介やFAの仕事はできる
- 国の補助金で手数料を補助してもらうには、登録した相手を選ぶ必要がある(ガイドラインの2023年9月時点の記載)
- 登録の有無と手数料の体系は、制度のデータベースで社名から調べられる
行政が公表した注意や登録取消し
中小企業庁は、ガイドラインに反した登録機関への対応を公表しています。制度のトップページに資料が載っています。
| 公表日 | 中身 |
|---|---|
| 2024年10月 | 不適切な買い手とのM&Aを支援した15の登録機関に注意 |
| 2025年1月24日 | 1社の登録を取消し、6社に注意 |
| 2025年3月14日 | 1社に注意 |
| 2026年9月1日 | 営業の停止を求められたのに営業を再開した1社に、再び注意 |
2025年1月の資料は、登録を受けている者の中から選ぶよう求めています(中小企業庁の公表資料)。同時に、登録していても支援の質は違うと書いています。
比べる点1:立場(仲介かFAか)
ガイドラインは、相談先の立場を2つに分けています。
| 立場 | 契約の相手 | 特徴 |
|---|---|---|
| 仲介 | 売り手と買い手の両方 | 両方から手数料を受け取るのが通常。両方の利益がぶつかる点がある |
| FA | 売り手か買い手の一方だけ | 依頼した側のためだけに助言する |
ガイドラインは、仲介には利益がぶつかるおそれがあるとして、一定の対策を求めています。たとえば、仲介は値段を確定的に評価できず、専門家の意見を求められる旨を伝える必要があります。
どちらが向くかは、仲介とFAの違いにまとめています。仲介の場合は、相手側から受け取る手数料も説明を受けてください。
比べる点2:手数料の計算のもとと最低報酬
料率よりも「何に掛けるか」と「最低いくらか」
多くの会社は、レーマン方式という段階的な料率を使っています。5億円以下の部分は5%、のように金額の区切りごとに率が変わります。
差が出るのは、料率を掛ける金額と、最低報酬です。ガイドラインも、計算のもとの金額と最低手数料の額を確かめるよう求めています。
| 確かめること | 中身 |
|---|---|
| 計算のもと | 株の譲渡額か、借金を足した企業価値か、負債を足した移動総資産か |
| 最低報酬 | 料率で出した額がこれより小さいと、この額を払う |
| 払う時期 | 最終契約のときか、代金の決済のときか |
最低報酬は会社で大きく違う
大手の最低報酬は2,000万〜2,500万円です。最低報酬は、料金ページで公開されています。
譲渡額が1億円なら、5%は500万円です。最低報酬が2,000万円なら、譲渡額の20%を払うことになります。
国の窓口にも、この点の相談が届いています。「5%と聞いていたが、最低報酬が適用され、想定より高い手数料を払った」という例です。中小企業庁の2026年9月1日の公表資料の別紙2に載っています。
しくみと金額は、次のページで確かめられます。
比べる点3:着手金・中間金と、返金されるか
4種類の手数料
ガイドラインは、手数料を払う時期で4つに分けています。
| 名前 | 払うとき |
|---|---|
| 着手金 | 依頼の契約をしたとき |
| 月額報酬 | 毎月決まった額 |
| 中間金 | 基本合意など、途中の決まったとき |
| 成功報酬 | 主に、代金の決済など案件が終わったとき |
どれを取るかは、会社ごとに違います。成功報酬だけの「完全成功報酬型」も、相当数あるとされています。
売れなかったら返ってくるか
着手金や中間金は、成功報酬に含める(前払いにする)ことが多いとされています。大切なのは、売れなかったときに返ってくるかどうかです。
当サイトは、32の相談先の料金ページなどを調べました。結果は次のとおりです。
- 売り手の着手金・中間金の返金の条件を書いていたのは1つ
- その1つは、成否にかかわらず返金しないという内容(りそな銀行)
- 着手金や中間金を取るほかの相談先は、返金の条件を書いていなかった
面談で必ず聞き、答えを書面でもらってください。
| 売り手側の例(税別) | 着手金 | 中間金 |
|---|---|---|
| 名南M&A | 60万円から | 記載なし |
| ストライク | なし | 100万円(資産総額10億円以下) |
| M&Aキャピタルパートナーズ | なし | 手数料総額の約10% |
出典は名南M&A、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズの料金ページです。ほかの会社は相談先の一覧で見られます。
比べる点4:小さい案件を受けてくれるか
会社によっては、小さい案件をあまり受けません。上場している仲介会社の開示には、次の記載があります。
| 会社 | 開示の中身 |
|---|---|
| 日本M&Aセンター | 小規模案件はグループ会社へ紹介する運用で、売上1億円未満の会社の受託の割合が減った |
| インテグループ | 最低成功報酬は1,500万円。譲渡額3,000万円未満の案件は、ほぼ取り扱わない |
| ブティックス | 売り手からの最低手数料は100万円。小規模案件を多く成約する仕組みと説明 |
| オンデック | 小規模案件の割合が高く、平均の報酬単価が計画を下回った |
出典は各社の決算説明資料と有価証券報告書です(日本M&Aセンター、インテグループ、ブティックス、オンデック)。
中小企業庁の資料では、譲渡額1,000万円以下の案件の手数料率は、中央値が約100%でした。当サイトがグラフから読んだ値です(中小企業庁)。小さい案件では、公的な窓口やマッチングサイトも候補になります。
比べる点5:自社の業種での実績
公開事例は「選んで載せたもの」
各社の公式サイトの事例は、その会社が選んで載せたものです。件数や中身は、会社ごとに載せ方が違います。
上場企業の買収の開示からは、仲介した会社は分かりません。当サイトがIT企業の買収179件の開示を読んだところ、仲介会社の名前が書かれていたのは0件でした(IT企業の売却事例)。
件数の数え方に注意
成約件数の数え方も、会社で違います。1回の成約を、売り手と買い手で2件と数える会社があります。
| 数え方 | 開示している会社の例 |
|---|---|
| 1組を2件(売り手・買い手で1件ずつ) | 日本M&Aセンター、ストライク |
| 1組を1件 | インテグループ、ブティックス |
そのため、件数をそのまま比べることはできません。面談では「自社と同じ業種・同じくらいの規模で、ここ数年に何組成約したか」と聞いてください。
比べる点6:担当者
ガイドラインは、契約の重要な点を説明する人は、十分な経験と能力を持つ人が望ましいとしています。2025年1月の中小企業庁の資料も、担当者について確かめるよう勧めています。
- 持っている資格
- 経験年数と成約の実績
- 会社の組織の体制(担当が一人で抱えていないか)
担当者が途中で替わることもあります。替わるときの引継ぎをどうするかも、聞いておくと安心です。
比べる点7:契約の条件
ガイドラインが示す目安
契約書の条件は、後で揉めやすいところです。ガイドラインは、次のような目安を示しています。
| 条項 | 中身 | ガイドラインの目安 |
|---|---|---|
| 専任条項 | 他の仲介会社やFAに同時に頼めない | 契約期間は最長でも6か月〜1年以内。いつでも中途解約できる条項が望ましい |
| 直接交渉の制限 | 紹介された相手と、自分で直接交渉できない | 対象はその会社が紹介した相手だけ。期間は契約が終わるまで |
| テール条項 | 契約が終わった後に売れても、手数料がかかる | 期間は最長でも2〜3年以内。社名を明かして紹介した相手だけが対象 |
専任でない契約で、複数の会社から同じ相手を紹介された場合もあります。ガイドラインは、選ばれなかった会社がテール条項で手数料を求めるべきではないとしています。
具体的に書いている会社もある
多くの会社は、ガイドラインを守るという宣言にとどまります。期間を具体的に書いている例もあります。
たとえばSBI辻・本郷M&Aは、契約期間を原則1年、テール期間を原則2年と公開しています(SBI辻・本郷M&A)。面談では、自社の契約書の案で数字を確かめてください。
契約の前に書面で説明を受ける
ガイドラインは、契約の前に重要な点を書面で説明するよう、仲介会社やFAに求めています。手数料、相手側の手数料、契約後も効力が続く条項などです。
書面を受け取ったら、その場で判を押さないでください。事業承継・引継ぎ支援センターや弁護士に、セカンド・オピニオンを求めることもできます。
面談で聞く質問リスト
そのまま読み上げて使えるように、質問の形にしました。答えは書面かメールでもらうと、後で比べやすくなります。
立場と登録
- 御社は仲介ですか、FAですか。どちらも選べますか
- M&A支援機関登録制度に登録していますか
- 仲介の場合、相手側からはいくら受け取りますか
お金
- 成功報酬は、何の金額に料率を掛けますか
- 最低報酬はいくらですか
- 着手金・月額報酬・中間金はありますか。いつ、いくらですか
- 売れなかったとき、着手金や中間金は返ってきますか
- 手数料のほかに、交通費などの実費はかかりますか
- 私の会社の数字だと、成功報酬はいくらになりますか
実績と担当者
- 同じ業種・同じくらいの規模で、ここ数年に何組成約しましたか
- その件数は、1組を1件と数えていますか、2件ですか
- 担当者の経験年数と、成約の実績を教えてください
- 担当者が替わるときは、どうなりますか
- 買い手をどう調べますか(財務やトラブルの有無など)
契約
- 専任ですか。契約期間は何か月ですか
- 途中で解約できますか。そのとき費用はかかりますか
- テール期間は何年で、どの相手が対象ですか
- 直接交渉の制限は、どの相手に、いつまでかかりますか
買い手の調べ方は、ガイドラインが契約の前に説明するよう求めている項目です。答えがあいまいなときは、そのことも比べる材料になります。
相談先を絞る道具
当サイトには、相談先を絞るための道具があります。
掲載の基準と当サイトの収益は調べ方と収益に書いています。売る流れの全体は会社を売るときの流れと期間をご覧ください。
相談について
当サイトは、売却の申込みを受け付けていません。どこに相談すればよいか迷ったら、LINEで聞いてください。
担当者が読んで返信します。社名を書く必要はなく、売り込みもしません。
LINEで相談先を聞くどこに相談すればいいか、手数料はいくらか。社名を出さずにLINEで聞けます。
LINEで相談先を聞く答えるのは「事業承継リサーチ 相談窓口」(運営:株式会社楽笑)。会社名なしで相談できます。相談でできること・回答例
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