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会社を売ったら税金はいくらかかる?株式譲渡と事業譲渡の違い

株式譲渡は社長個人に約20%、事業譲渡はまず会社に法人税と消費税がかかります。役員退職金を組み合わせる考え方も国税庁の資料で整理。

確認 2026-10-04

目次(6項目)
  1. はじめに:売り方で「誰に」税金がかかるかが変わる
  2. 株式譲渡の税金
  3. 事業譲渡の税金
  4. 役員退職金を組み合わせる考え方
  5. 税理士に確かめること
  6. 相談について

はじめに:売り方で「誰に」税金がかかるかが変わる

会社を売る方法は、主に「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つです。どちらを選ぶかで、税金がかかる相手と計算のしかたが変わります。

この記事は、国税庁などの公式の資料をもとにした一般的な説明です。あなたの会社の税額は、必ず税理士に確かめてください。

比べる点株式譲渡事業譲渡
売るもの社長が持つ会社の株会社が持つ事業(設備・取引先・人など)
代金を受け取る人株主である社長個人会社
主な税金社長個人の所得税・住民税会社の法人税など、消費税
税率の目安もうけの20.315%会社の所得に応じた法人税率など
社長の手元に移すとき追加の税金はない配当や報酬にすると、さらに税金がかかる

20.315%と、事業譲渡の後の課税の流れは、中小企業庁の資料にもあります(中小M&Aガイドライン第3版)。

ポイント

同じ値段で売っても、売り方によって手元に残るお金は変わります。売り方を決める前に、税理士と一緒に比べてください。

株式譲渡の税金

もうけ(譲渡所得)の計算

株を売ったときは、売った値段から、かかったお金を引いた残りに税金がかかります。国税庁は次の式で説明しています(No.1463 株式等を譲渡したときの課税)。

この「もうけ」を、税金の世界では譲渡所得と呼びます。給料などのほかの所得とは分けて、税金を計算します(申告分離課税)。

税率は20.315%

上場していない会社の株も、税率は同じです。内訳は次のとおりです。

税金税率根拠
所得税15%国税庁 No.1463
復興特別所得税所得税額の2.1%(もうけの0.315%)国税庁 No.1463
住民税5%国税庁 No.1463
合計20.315%中小M&Aガイドライン第3版にも同じ記載

復興特別所得税は、2047年分(令和29年分)まで所得税と一緒に納めます。国税庁は、令和8年度の改正で2027年から防衛特別所得税ができると説明しています。退職所得のページでは、合計の税率は変わらないとしています(No.1420)。

計算の例【試算】

前提は、会社を作ったときに1,000万円で株を手に入れた社長です。株を1億円で売り、手数料などに1,000万円かかったとします。

項目金額
売った値段1億円
引くもの(取得費+手数料など)2,000万円
もうけ8,000万円
税金(8,000万円×20.315%)1,625万2,000円
手元に残る額(1億円−2,000万円−税金)6,374万8,000円

実際には、何を手数料などとして引けるかで額が変わります。この例は計算の流れを見るためのもので、税理士の確認が必要です。

見落としやすい点

中小M&Aガイドラインは、株を売った社長の個人の負担について注意を書いています。会社の社会保険に入っていない場合は、国民健康保険料などにも影響があります。

売った年の翌年には、確定申告が必要です。代金を全部使ってしまわず、税金の分を取っておいてください。

事業譲渡の税金

まず会社に法人税などがかかる

事業譲渡では、代金は会社に入ります。売ってもうけが出れば、会社の所得として法人税などがかかります(中小M&Aガイドライン第3版)。

法人税の税率は、国税庁によると次のとおりです(No.5759 法人税の税率)。このほかに、法人住民税や事業税もかかります。

会社の区分年800万円以下の部分年800万円を超える部分
資本金1億円以下の会社など15%23.2%
それ以外の会社23.2%23.2%

2025年4月以後に始まる事業年度で、所得が年10億円を超える年は、800万円以下の部分も17%です。ほかにも例外があるため、国税庁のページで確かめてください。

消費税がかかるものと、かからないもの

事業譲渡では、売る資産ごとに消費税の扱いが分かれます。中小M&Aガイドラインは、減価償却資産などは消費税の課税売上になると書いています。

消費税がかかる例消費税がかからない例
建物、機械、車両などの設備土地
商品などの在庫株などの有価証券
権利などの形のない資産売掛金などの金銭債権

消費税の対象には、形のない権利も含まれます(No.6105 課税の対象)。土地や有価証券、金銭債権の譲渡は非課税です(No.6201 非課税となる取引)。

社長の手元に移すときにも税金がかかる

事業譲渡の代金は会社のお金です。社長個人が使うには、会社から社長へ移す必要があります。

ガイドラインによると、配当や役員報酬で移すと総合課税になります。税率は15.105%〜55.945%です。株式譲渡の20.315%より高くなることもあります。

ポイント

事業譲渡は「会社で1回、社長個人でもう1回」税金がかかる形になりやすいです。手元に残る額は、2段階で計算してください。

買い手にとっての違い

ガイドラインは、事業譲渡には買い手にとっての利点もあると書いています。主なものは次のとおりです。

一方で、不動産を移すときは、買い手に不動産取得税や登録免許税がかかります。許認可は、事業譲渡では取り直しが必要になることが多いとされます。扱いは許認可の種類で違うので、所管の役所に確かめてください。

役員退職金を組み合わせる考え方

なぜ組み合わせるのか

会社を売るときは、社長が役員を退くことが多くあります。そこで、会社から社長に役員退職金を払う形を、売却と組み合わせることがあります(中小M&Aガイドライン第3版)。

退職金は、ほかの所得と分けて計算され、税金が軽くなる仕組みがあります。ガイドラインも、分離課税の退職金と組み合わせる検討に触れています。

退職金の税金の計算

国税庁の計算式は次のとおりです(No.1420 退職金を受け取ったとき)。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)
20年を超える800万円+70万円×(勤続年数−20年)

国税庁の例では、勤続30年なら控除額は1,500万円です。ただし、役員として5年以下しか勤めていない場合は、1/2にする計算が使えません。

会社の側では費用になる

会社が役員に払う退職金は、適正な額であれば会社の費用(損金)になります(No.5208 役員の退職金の損金算入時期)。原則として、株主総会の決議などで額が決まった年度の費用です。

株式譲渡と組み合わせると、退職金の分だけ会社のお金が減ります。その分、株の値段は下がる方向に働きます。どちらが得かは、会社ごとの計算で変わります。

気をつけること

注意点中身出典
額が適正であること適正な額でなければ、会社の費用として認められない国税庁 No.5208
後払いのリスク売った後に払う約束は、買い手の状況で払われないおそれ中小M&Aガイドライン第3版
手数料が増えることがある退職金を手数料の計算のもとに含める仲介会社がある各社の料金表

手数料の計算のもとに退職金を含める会社の例は、M&A仲介の手数料のしくみにまとめています。手数料の目安は手数料の計算で試せます。

税理士に確かめること

税金の個別の相談に乗れるのは、原則として税理士です(税理士法第52条)。当サイトも、あなたの会社の税額にはお答えできません。

税理士に相談するときは、次の点を聞くと話が早く進みます。

顧問税理士がM&Aに詳しくなければ、事業承継・引継ぎ支援センターで相談先を探す方法もあります。売却全体の流れは後継者がいないときの選択肢で説明しています。

相談について

当サイトは、売却の申込みを受け付けていません。どこに相談すればよいか迷ったら、LINEで聞いてください。

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