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社員や取引先にはいつ伝える?売却を知られないための進め方

売却を誰に・いつ伝えるかは段階で分けます。国のガイドラインをもとに、秘密の守り方と幹部社員への伝え方をまとめました。

確認 2026-10-04

目次(7項目)
  1. 結論:誰に・いつ伝えるかを段階で分ける
  2. なぜ秘密にするのか
  3. 段階ごとに、誰が知っているか
  4. 情報を漏らさないための進め方
  5. 幹部社員(キーマン)への伝え方
  6. 決済の後の伝え方
  7. 相談について

結論:誰に・いつ伝えるかを段階で分ける

会社を売る話は、どの段階で誰に伝えるかがとても大切です。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」は、次のように書いています(中小M&Aガイドライン第3版)。

決済とは、株や事業を渡して代金を受け取る段階のことです。「クロージング」とも呼ばれます。

ポイント

多くの社員や取引先に伝えるのは、原則として売ることが確定してからです。ただ、引継ぎに欠かせない人には、買い手と相談して早めに伝えることもあります。誰に・何を・いつ伝えるかを、一律ではなく段階で決めてください。

なぜ秘密にするのか

秘密にする理由は、社員や取引先をだますためではありません。話がまとまる前に広まると、会社そのものが傷むおそれがあるためです。

ガイドラインは、次のような例があると書いています。

ガイドラインの事例の一覧にも「社外へ情報が漏れたことに伴い、中小M&Aが不成立になった事例」が載っています。売れなかったうえに、会社の力も落ちてしまう形です。

段階ごとに、誰が知っているか

売却の流れに沿って、知っている人の範囲を整理しました。中小M&Aガイドラインの記述をもとにしています。

段階知っている人気をつけること
相談社長、相談先の支援機関相談先を必要以上に広げない
依頼の契約仲介会社やFA契約に秘密保持の条項が入る
買い手探し(打診)社名を伏せた資料を受け取った候補先(ガイドラインでは通常、数十社程度)社名は伏せたまま関心を聞く
買い手探し(候補)秘密保持契約を結んだ数社結んだ後に、社名や詳しい資料を渡す
買い手の調査(DD)買い手と、買い手が頼んだ専門家社員に気づかれずに進める工夫が要る
最終契約の前ごく一部の親族・幹部役員誰に知らせるかを買い手と話し合う
決済の後社員全員、取引先知らせる時期と方法を買い手と決めておく

相談先の選び方は、後継者がいないときの選択肢で説明しています。

情報を漏らさないための進め方

相談先を絞る

ガイドラインは、複数の支援機関が同時に買い手探しをすることに注意を促しています。会社の情報が必要以上に外に出て、かえって売り手のリスクになるためです。

社名を出さない最初の比較相談と、買い手への打診は分けて考えます。比較は匿名で始め、社名や決算書は秘密保持の約束をしてから渡してください。

同じ会社の情報が、別々の仲介会社から同じ買い手に届くこともあります。買い手は「あちこちに出回っている」と感じ、印象が悪くなるおそれがあります。

自分で相手を探すときは特に注意

自分で買い手を探す場合も、同じ注意が要ります。ガイドラインは、取引先や同じ地域の同業者に打診するときは特に注意するよう書いています。

仲介会社に頼む場合は、打診を避けたい先を事前に伝えておけます。取引先や近くの同業者など、知られたくない相手を伝えてください。

社内で気をつけること

社内で気づかれるきっかけは、会社ごとに違います。ここでは一般的な注意を挙げます。

ガイドラインも、DDは秘密にしている社員に気づかれずに進める工夫が必要だとしています。専門家の指示を守ることが大切だ、とも書いています。

幹部社員(キーマン)への伝え方

先に伝えるかどうか

会社によっては、仕事の中心を担う社員がいます。こうした社員を「キーマン」と呼ぶことがあります。買い手にとっても、残ってほしい人です。

ガイドラインは、最終契約の前にごく一部の幹部役員に知らせる場合があると書いています。いつ、誰に知らせるかは、まず売り手と買い手で話し合うよう勧めています。

伝える前に決めておくこと

キーマンに伝える前に、次の点を決めておくと話がぶれにくくなります。どれも一般的な考え方で、会社ごとに専門家と相談してください。

決めておくこと理由
伝える相手と人数知る人が増えるほど、漏れる危険も増える
伝える時期早すぎると、話が止まったときの影響が大きい
口外しない約束の取り方書面で約束してもらう方法もある
処遇について言えること契約で決まっていないことは約束できない

最終契約では、社員の扱いも決めます。ガイドラインは、雇用を続ける努力の約束などを、主に決める項目に挙げています。

処遇についての伝え方

社員が一番気にするのは、自分の仕事と待遇がどうなるかです。ガイドラインは、売った後に社員が一斉に解雇される例は多くないと言われる、と書いています。

ただし、言えるのは契約で決まった範囲だけです。決まっていないことを約束すると、後で信頼を失うおそれがあります。

決済の後の伝え方

誰に、何を報告するか

ガイドラインは、決済の後の作業として、役員・社員や取引先への報告を挙げています。あわせて、次のような手続きも進めます。

決済の前に相談が要る相手

契約によっては、会社の持ち主が変わるときの扱いが決められています。こうした決まりを「チェンジ・オブ・コントロール条項」と呼びます。相手への通知、相手の承諾、相手の解除権など、中身は契約ごとに違います。

ガイドラインは、賃貸借の契約などにこの条項がある場合は注意するよう書いています。決済の前に、貸主などと話し合う必要が出ることがあります。

相手事前に相談が要ることがある理由
建物の貸主賃貸借の契約に、持ち主が変わるときの決まりがある場合
リース会社名義の変更が要る場合
取引先の金融機関社長の個人保証を外すか、買い手に移すかの相談

金融機関に前もって相談するときは、秘密保持契約を結んでからが望ましいとされています。借入や個人保証の考え方は、廃業か、売却かでも説明しています。

相談について

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