電子部品・電子機器メーカーの承継・売却、どこに相談するか

電子部品・電子機器製造(電子部品・基板・実装・ハーネス・電子機器)の売却の相談先14社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

株式の譲渡額が2億円以上なら、私はインテグループを第一候補にします。 2億円からはバトンズと報酬が並び、5億円を超えると安くなります。並んだ帯では、売上の載った電子の事例がある方を選びます。

この表は、法人の株式を売る人向けです。上から順に見て、最初に当てはまる行があなたの行です。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
譲渡額が未定、または3,000万円未満事業承継・引継ぎ支援センター自分で交渉できるならトランビ民間への紹介後は、その支援料がかかる
3,000万円以上2億円未満バトンズ費用最優先ならBlue.A(1億円で500万円)電子の事例は社員10人前後まで
2億円以上3億円未満インテグループ費用最優先ならBlue.A(2億円で1,000万円)公開2件はMBOと買い手からの打診
3億円以上インテグループ基板を同業大手へ売るならストライク有報の重点は譲渡額3億円以下

決め手は3つだけ

1. 報酬総額と、支払う時期

株式を1億円で売るとします。税別の報酬は、インテグループ1,500万円、バトンズ1,000万円、Blue.A500万円です。取得費1,000万円で、手取りは約6,860万円・約7,300万円・約7,730万円です。小さい案件は最低報酬で選びます。料金が並んだら、買い手候補と決済前の支払いで選びます。

2. 得意先にいつ、誰が伝えるか

電子部品は、得意先の購買の判断で商流が他社へ移ることがあります。Blue.Aは、購買の反対で不成立なら成功報酬を取りません。私は、開示の時期と説明役、断られた場合の契約条件を、担当者に先に組んでもらいます。

3. 同業以外の買い手を出せるか

日本M&Aセンターの公開57件では、32件の買い手が別の業種区分です。私は、機械メーカーや専門卸にも提案できる担当者を選びます。

言いにくいこと

  • インテグループの電子の公開2件は、外部候補との交渉後のMBOと、買い手からの打診の案件です。
  • 同社の2件は、譲渡額・成約年とも非掲載です。
  • 同社の有価証券報告書の重点は、譲渡額3億円以下です。
  • バトンズの電子の事例は社員10人前後までで、売上も価格も載っていません。
  • Blue.Aの公開事例は商社1件です。専従者1名は2026年4月の登録値です。
  • Blue.A・ストライク・オンデックの報酬の基準には、退職金なども入ります。
  • 日本M&Aセンターは電子の売り手57件を載せますが、規模も価格も載せていません。
  • M&AキャピタルとM&Aロイヤルは、最低報酬を料金ページに書いていません。

面談で必ず聞くこと

  • 「私の譲渡額なら、報酬は税込でいくらですか。途中で払う額と実費も含めて、書面でください」
  • 「報酬の計算のもとは、株式の譲渡額ですか。退職金や負債も含めますか」
  • 「得意先には、いつ、誰が伝えますか。反対されて不成立なら、何を払いますか」
  • 「担当者本人の電子部品・基板の会社の成約は何件ですか。同業以外ではどこに提案しますか」
  • 「外国の会社やファンドが候補なら、外為法の届出は誰がいつ確かめますか」

どこから話を聞くか迷ったら、相談先診断で絞り込んでから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

民間の支援会社の第一候補は、全業種で同じ基準で選びます。料率と最低報酬が公式に確認でき、その業種の売り手の公開事例に規模か価格が載ることです。今回、満たしたのはインテグループ・ストライク・オンデック・バトンズの4社でした。バトンズの事例の規模は社員数で、売上は載っていません。

4社の報酬は、1億円でバトンズ1,000万円、インテグループ1,500万円です。オンデックは2,030万円、ストライクは2,100万円です(税別)。だから私は、2億円未満ではバトンズを先にします。1億円の手取りは、インテグループ経由より約440万円多くなります。

2億円からは、バトンズとインテグループの報酬が1,500万円で並びます。5億円を超えると、インテグループの方が安くなります。料金が並ぶ帯では、当サイトの判断で、電子の事例に売上が載る方を選びます。売上が載っていれば、自社と規模を並べて比べられるからです。この線は全社に同じく当てました。ストライクとオンデックも満たしますが、2億〜3億円では両社とも2,000万円を超えます。

3,000万円でも、バトンズの報酬は税別350万円で、譲渡額の1割を超えます。1,000万円未満は200万円です。私は、この規模では公的窓口から相談を始めます。3,000万円は、費用の重さを見て私が引いた区切りです。公的窓口は、民間へ進む前の入口にします。福井の電子部品会社も、センター経由でバトンズを使いました。

報酬の比べ方

売り手が仲介を頼む場合の報酬です(税別)。

譲渡額インテグループバトンズBlue.Aストライク
3,000万円1,500万円350万円300万円2,100万円
5,000万円1,500万円500万円300万円2,100万円
7,500万円1,500万円750万円375万円2,100万円
1億円1,500万円1,000万円500万円2,100万円
2億円1,500万円1,500万円1,000万円2,100万円
3億円1,500万円1,500万円1,500万円2,100万円
5億円2,500万円2,500万円2,500万円2,600万円
10億円4,500万円5,000万円4,500万円4,600万円

バトンズは、株式譲渡で必須のプレミアムサポートの料金です。ストライクは資産総額10億円以下として、基本合意報酬100万円を含めました。Blue.Aは、役員退職金を払うとその額も基準に入ります。Blue.Aの交通費等の実費は含めていません。退職金など、株式代金以外の受取額は含めていません。

表の4社では、3,000万円以上3億円未満はBlue.Aの成功報酬が最安です。1,000万円未満では、バトンズの200万円の方が安いです。1億円では、Blue.Aはインテグループより1,000万円安く、手取りの差は約880万円です。インテグループで同じ手取りにするには、提示額が約1億1,100万円要ります。

それでも私は、Blue.Aを第一候補にしません。公開事例は電子部品商社の事業譲渡1件で、製造会社の事例がないからです。その1件にも、規模と価格は載っていません。費用を最優先するなら、私はBlue.Aにも見積もりを取ります。そのとき、担当者の製造会社での成約歴を書面で求めます。

バトンズの必須サポート料は、段階の定額です。1,000万円以上5,000万円未満は350万円、5,000万円以上7,500万円未満は500万円です。7,500万円以上1億円未満は750万円、1億円以上1.5億円未満は1,000万円です(税別)。4,999万円から5,000万円で、手取りは約3,880万円から約3,750万円へ減ります。元の手取りに戻すには、約5,164万円の提示が要ります。7,499万円から7,500万円では約218万円減り、戻すには約7,774万円要ります。9,999万円から1億円でも約218万円減り、戻すには約1億274万円要ります。値上げの交渉は、手取りが元に戻る金額まで行います。

3億円以上では、料金の差が縮みます。インテグループとBlue.Aは同じ料率で、5億円と10億円で同額です。ストライクとの差は、5億円で100万円です。5億円以上なら、私はM&Aキャピタルも比較に入れます。標準報酬は、5億円・10億円でインテグループと同額です。最低報酬は料金ページになく、登録DBの値は2,500万円です。電子の公開9件から、買い手候補を挙げてもらいます。基板メーカーなら、私はストライクにも話を聞きます。同業大手への譲渡事例を確認できるからです。

ストライクとオンデックは、途中でも払います。ストライクは基本合意時に100万円(資産総額10億円以下)です。オンデックは依頼時に資料作成料30万円を払います。基本合意時には、成功報酬の10%を払います。この10%は、成約時に成功報酬に充当されます。

公開事例の中身

インテグループの基板メーカー(中部、売上8億円)の売り手は、上場の部品メーカーです。非中核の子会社を売り、外部の候補とは条件が折り合わず、経営陣と親族が買いました。ハーネス組立の会社(北海道・東北、売上3億円)は、買い手からの打診で始まりました。医療用部品の加工・検査会社へ、トップ面談から約2か月で譲りました。私は、この2件を決済までの支援実績として評価します。買い手探しの力は、面談で別に確かめます。

ストライクの事例は、基板メーカー(甲信越、売上〜10億円)です。後継者がなく、売上100〜500億円の基板メーカーへ譲りました。買い手の理由は、開発から量産までの一貫体制です。オンデックの事例は、電子工業用装置機器の会社(売上約1.4億円)です。大口取引先を失って受注が落ち、計測装置メーカーへ譲りました。

バトンズの電子部品の製造会社(福井、社員6名)は、県の引継ぎ支援センターの紹介で登録しました。十数件の問い合わせがあり、3社と面談して精密部品加工の会社へ譲りました。コネクターの製造会社(東京、10人前後)は、愛知県の同業へ譲りました。

公開件数は、日本M&Aセンターの57件がいちばん多いです。M&Aキャピタルは9件です。両社の一覧には、規模も価格もありません。

買い手の傾向

日本M&Aセンターの57件では、25件(44%)の買い手が同じ「電子部品・電気機械器具製造」区分でした。2021年以降は38件中15件で、39%です。57件全体では、ほかに機械メーカー6件、金属製品6件、専門卸6件などがあります。区分が同じでも、同じ製品のメーカーとは限りません。

M&Aキャピタルの9件では、買い手の業種が9件ともばらばらでした。ファンド、商社、自動車部品、制御・計測装置、IT、基板の設計・実装などです。技術承継機構は、電源機器の会社とプリント基板関連の会社をグループに入れています。私は、同業に加えて、機械・制御のメーカーと専門卸を候補に入れてもらいます。

状況別:私ならこうする

外国の会社や外資系のファンドにも売りたい会社。 外為法では、外国投資家が非上場会社の株式を取ると対内直接投資です。基板実装(電子回路実装基板製造業)と集積回路の製造は、指定業種です。輸出貿易管理令別表第一の1〜15項の貨物を作る業種も対象です。指定業種への投資は、事前届出が原則です。免除の適用は、買い手に確認してもらいます。届出が必要な案件は、受理から原則30日待ちます。待機期間の短縮もあります。審査で4か月まで延びることもあります。国内のファンドでも、外国投資家に当たることがあります。外国の出資の割合と、業務執行組合員の構成で決まります。私は、決済日に余裕を持たせます。

輸出規制の対象になりうる部品を輸出している会社。 株式譲渡なら、許可を受けた会社は変わりません。事業譲渡では、輸出管理内部規程の内容変更を届け出ます。存続する輸出者に受理票がない場合などは、新規届出です。私は、該非判定書の控えと受理票をそろえてから相談します。

売上の多くを1〜2社の得意先に頼る会社。 取引基本契約に、株主が変わったときの通知や解除の条項があるかを読みます。事業譲渡では、契約を移すのに得意先ごとの承諾が要ります。Blue.Aの事例では、得意先の口座を持つ会社を買い手にしました。得意先に打ち明ける前に、停止条件付きの契約を結んでいます。私は、得意先との取引を維持できる買い手を先に絞ります。

他社の部品も仕入れて売っている会社。 Blue.Aは、総代理店でない商流は他社へ移されやすいと書いています。私は、仕入先との代理店契約と、得意先の口座の名義を先に確かめます。

顧客の金型や回路図を預かっている会社。 顧客が権利を持つ図面は、自社の資産として売れません。公正取引委員会は令和7年度、金型などの無償保管で26件の勧告を出しました。私は、預かり品の一覧と保管の取り決めを出せるようにします。

ファームウェアや回路設計を外注している会社。 社員が職務で作ったプログラムは、原則として会社が著作者です。外注先が作ったものは、この規定の対象外です。私は、外注契約で著作権の譲渡範囲を確かめます。

部品が他社の製品に組み込まれている会社。 PL法の時効は、引渡しから10年だけではありません。知った時から3年、生命・身体の損害は5年です。株式譲渡では、過去に納めた部品の責任も会社に残ります。私は、不具合の記録と保険の内容を出せるようにします。

社長が営業と設計の両方を担う会社。 バトンズの業界解説は「技術者あっての当業界です」と書いています。私は、得意先の窓口と設計の担当を誰に引き継ぐか決めてから相談します。

気にしなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの電子部品268件は、掲載中の案件の数です。成約の数でも、買い手の数でもありません。
  • 統計の事業所数の減少。 2025年調査は新しい母集団で集計したと注記があります。私は、事業所数の減少をそのまま廃業数には使いません。
  • 業界ページの大手の買収例。 日本M&Aセンターの業界ページにある大手メーカーの買収は、業界ニュースの紹介です。同社の仲介実績には数えません。
  • 解説記事の案件例。 M&A総研の記事にある電子部品の会社は、売却を募集中の案件です。成約ではありません。

言いにくいことの根拠

インテグループ(2億円以上の第一候補)。 有価証券報告書に、譲渡金額3億円以下の小規模案件で最低報酬1,500万円の安さを訴求すると書いています。基板メーカーの事例は、売り手が上場の部品メーカーで、買い手は経営陣と親族です。ハーネスの事例は、買い手からの打診で始まりました。2件とも売上だけを載せ、譲渡額と成約年は載せていません。

バトンズ(3,000万〜2億円の第一候補)。 2件の記事は社員数を書きますが、売上と譲渡額は書いていません。株式譲渡では、有料のプレミアムサポートが必須です。

Blue.A(費用優先の逆転先)。 料金表は、譲渡額が6,000万円を下回ると最低報酬300万円と書いています。役員退職金を払うと、その額も譲渡額に加えます。50億円超の料率は書いていません。購買の反対で不成立でも、交通費等の実費はかかる場合があると書いています。公開事例は電子部品商社の事業譲渡1件で、規模と価格は載っていません。登録DB(2026年4月取得)の専従者は1名です。

ストライクとオンデック。 ストライクの料金ページは、役員退職金やオーナーからの借入金を基準に含めています。オンデックは、役員退職慰労金と引継ぎ期間の顧問報酬を加算すると書いています。オンデックは基本合意時に成功報酬の10%を払います。成約時は成功報酬に充当されます。

日本M&Aセンター。 決算説明資料に、小規模案件をグループ会社へ紹介する運用を書いています。報酬は負債を含む時価総資産が基準で、着手金は100万円以上です。成約一覧は、年月・業種・地域だけです。

M&AキャピタルパートナーズとM&Aロイヤル。 どちらも料金ページに最低報酬の記載がありません。登録DBの最低報酬は、どちらも2,500万円です。M&Aロイヤルの電子の区分の事例はLEDランプで、統計では照明器具に当たります。

M&A総合研究所とM&Aサクシード。 M&A総研の記事末の成約事例一覧は、機械製造業界の一覧です。サクシードの電子部品製造45件は募集案件です。成約実績には数えません。

M&Aベストパートナーズ。 公開事例は半導体テスト機器です。本ページの対象からは外します。「デバイス製造」「電気機器製造」の表示は、電子かを判別できません。最低報酬は、料金ページで2,000万円、登録DBで2,500万円です。

技術承継機構。 FAQに、取得関連費用を「株式価値算定においても」控除すると書いています。取得関連費用には、アドバイザーへの手数料や調査の費用が入ります。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
基準を満たすのは4社各社の料金ページと公開事例
2億円未満はバトンズが4社で最安各社の公式料金表を当サイトの式で試算
料金が並ぶ帯は売上つき事例で選ぶ当サイトの判断(全社に同じ線)
1億円でBlue.Aが1,000万円安い各社の公式料金表を当サイトの式で試算
公開2件の売上は3億円と8億円インテグループの成約実績
重点は譲渡額3億円以下インテグループの有価証券報告書
電子の売り手57件の44%が同じ区分日本M&Aセンターの成約一覧(当サイト集計)
57件中32件の買い手は別の区分日本M&Aセンターの成約一覧(当サイト集計)
9件の買い手の業種がばらばらM&Aキャピタルの成約一覧(当サイト集計)
非上場株式の取得は対内直接投資外為法 第26条
事前届出と原則30日の待機外為法 第27条
基板実装・集積回路は指定業種指定業種の告示 別表第二
事業譲渡等で輸出管理内部規程の届出経済産業省の通達(2025年4月)
契約の移転は相手方の承諾民法 第539条の2
金型等の無償保管で26件の勧告公正取引委員会 令和7年度の運用状況
外注ソフトの著作権の帰属と譲渡範囲著作権法 第15条第2項・第61条
PL法の時効期間製造物責任法 第5条

手数料は税別、手取りは手数料を税込で差し引いた試算です。手取りは、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。取得費は、今回売る株式に対応する1,000万円で計算しました。事業譲渡と個人事業には当てはまりません。指定業種の告示は、日本法令外国語訳DBの暫定版で確認しました。個々の会社が指定業種やコア業種に当たるかは、判定していません。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

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※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

14の相談先を公式情報で調査(確認 2026-10-08)。現在、掲載会社から広告料・紹介料は受け取っていません。

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