自動車部品メーカーの承継・売却、どこに相談するか

自動車部品製造(Tier1〜3の部品メーカー・加工)の売却の相談先12社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

株式の譲渡額が1億円以上なら、私はインテグループを第一候補にします。 料率と最低報酬が明確で、売上規模つきの同業事例があるからです。税別の最低1,500万円が、売値の15%になる線です。報酬は決済完了時だけです。

この表は、法人の株式を売る人向けです。上から順に見て、最初に当てはまる行があなたの行です。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
譲渡額が未定、または3,000万円未満事業承継・引継ぎ支援センター自分で交渉できるならトランビも使う紹介先の民間の支援は有料
3,000万円以上1億円未満第一候補なし面談同席や交渉の助言を頼むならバトンズ株式譲渡は有料サポートが必須
1億円以上3億円未満インテグループ料金を優先するならサクシード3億円未満はサクシードより高い
3億円以上インテグループ上場買い手への成約実績を重視するならMACP公開2件は譲渡額が非公開

MACPはM&Aキャピタルパートナーズの略です。

決め手は3つだけ

1. 報酬と、自動車部品の公開事例

1億円で売る例です。税別の報酬は、インテグループ1,500万円、M&Aサクシード1,000万円です。取得費1,000万円で計算すると、手取りは約6,860万円と約7,300万円です。この報酬差を払うなら、私は売値で550万円の上積みを求めます。

2. 主要取引先と品質の認証

株式を売っても、IATF 16949の所有者の変更は審査機関への通知の対象です。審査機関の判断で、特別審査が入ることがあります。国の指針は、発注側に取引先の事業承継の把握を求めています。私は、取引先へ伝える時期を基本合意の前に決めます。通知と審査の日程まで組める担当者を選びます。

3. 補給品と預かり型

買い手は、量産が終わった部品の供給と、預かっている型も引き継ぎます。私は、補給品の品番と供給期間、型の台帳を先にそろえます。供給条件と型の保管費まで整理する担当者を選びます。

言いにくいこと

  • インテグループの自動車部品の公開事例は2件で、譲渡額と成約年は載っていません。
  • 私の第一候補のインテグループは、2億円までサクシードより報酬が500万円高くなります。
  • 確認した公開資料では、サクシードと経営承継支援の自動車部品の成約事例はありません。
  • 経営承継支援は、役員退職金やオーナー借入金も報酬の基準に含めると書いています。
  • 日本M&Aセンターの一覧で、業種名が自動車部品の売り手は2017年が最新です。
  • MACPの最低報酬2,500万円は、公式の料金ページではなく登録DBの値です。
  • 技術承継機構は、自社の取得関連費用を控除して株式価値を算定すると書いています。

面談で必ず聞くこと

  • 「私の譲渡額なら、報酬は税込でいくらですか。途中で払う額も含めて、書面でください」
  • 「報酬の計算のもとは、株式の譲渡額ですか。退職金やオーナー借入金も含めますか」
  • 「担当者本人の自動車部品の成約は何件ですか。私と同じTierの会社は何件ですか」
  • 「主要取引先とIATFの審査機関には、いつ誰が伝えますか」
  • 「補給品の供給義務と預かり型は、どの資料で買い手に示しますか」

どこから話を聞くか迷ったら、相談先診断で絞り込んでから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

第一候補の条件は、二つです。公式サイトで料率と最低報酬が分かることです。自動車部品の売り手の公開事例で、規模か価格が分かることです。今回の12社で両方を満たすのは、インテグループだけでした。満たさない会社は、こうなら逆転の列に置きました。私は、公開事例で面談の順番を決めます。契約先は、担当者の同業経験と買い手の提案で決めます。

当サイトの判断として、もう一本線を引きました。報酬が譲渡額の15%を超える価格帯では、その会社を第一候補にしません。この線は全社に同じく当てています。インテグループの最低報酬1,500万円は、1億円でちょうど15%です。だから1億円で行を分けました。

3,000万円は、無料相談を先にする私の区切りです。3,000万円未満では、最低1,000万円の会社の報酬は譲渡額の3分の1を超えます。

3,000万円以上1億円未満は、第一候補なしにしました。インテグループは、この帯では報酬が15%を超えます。バトンズの報酬は、3,000万円で350万円、5,000万円で500万円です。7,500万円以上は750万円です。ただし、自動車部品の成約事例を公開していません。私は、面談同席や交渉の助言を頼むならバトンズを比べます。迷うなら、私はまず支援センターで相談先を整理します。

1億円以上2億円以下では、サクシードの報酬は1,000万円です。インテグループより500万円安く、税込では550万円の差です。経営承継支援も同じ1,000万円ですが、退職金やオーナー借入金などをゼロとした試算です。2億円で売ると、手取りは約1億4,830万円と約1億5,260万円です。それでも私は、自動車部品の公開事例がある方を第一候補にします。サクシードは非専任なので、並べて見積もりを取れます。

2億円を超えると、サクシードの報酬は譲渡額の5%で増えます。2.5億円で差は250万円、3億円で0円です。

3億円以上では、インテグループの報酬は試算できる他社と同額か安くなります。5億円なら、インテグループ・サクシード・経営承継支援・M&A総合研究所は、どれも2,500万円です。6億円では、インテグループ2,900万円、サクシード3,000万円です。MACPは、3億円では報酬が1,000万円高くなります。5億円では同額です。MACPの自動車部品の成約5件では、3件の買い手が上場企業です。5億円なら、私はインテグループとMACPを並べます。買い手の提案と支払時期で選びます。

状況別:私ならこうする

利益が薄い会社。 自動車業界の供給網調査では、2024年の営業利益率はTier1が2.8%、Tier3以降は0.6%です。これは部品メーカーだけの集計ではありません。利益の何年分で値を付けると、薄利の会社の価格は小さく出ます。私は、設備と取引口座に加え、補給品の採算と型の保管費を整理します。

IATF 16949を持つ会社。 認証機関は、合併や買収による所有権の変更を通知事項に挙げています。特別審査や、登録審査に準じた審査の可能性もあります。私は、審査の予定を譲渡の日程に入れます。

工場を移す計画がある会社。 IATFの公開Q&Aでは、移転には新たな申請が必要です。私は、工場を動かす必要性を先に確かめます。

補給品や預かり型を抱える会社。 国の指針は、補給品の供給期間と価格の決め方を、量産時に合意するよう勧めています。2〜3年発注がない補給品を話し合いで打ち切る例も載っています。私は、供給を続ける品番と、打ち切りを相談する品番を分けます。品番ごとに、供給期間・価格条件・型の保管条件を書き出します。

同業への売却を考える会社。 日本M&Aセンターの一覧では、輸送用機械まで含む13件中、買い手が輸送用機械・部品製造の事例は6件です。インテグループの2件も、買い手は同じ地域の同業でした。MACPの5件には、商社や投資会社への譲渡もあります。私は、同業・商社・投資会社の三方向で買い手候補を出してもらいます。

エンジン部品が中心の会社。 中小機構は、部品サプライヤーの事業転換の相談と専門家派遣を無料で行っています。派遣は1社5回までです。M&Aの仲介ではありません。私は、売る前に転換の余地を一度だけ聞きます。

社名と雇用を残したい会社。 技術承継機構は、社名と雇用を維持し、再譲渡しない方針です。グループには自動車用ばねと自動車部品の鋳造の会社があります。私は、仲介経由の提示と直接の提示を並べます。

気にしなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの「自動車・部品」103件は、掲載中の案件の数です。成約の数でも、買い手の数でもありません。
  • 業界記事の事例。 ストライクやM&A総合研究所の自動車部品の記事は、上場企業の公表案件が中心です。自社の成約の証拠にはなりません。
  • 統計の出荷額の平均。 従業者9人以下の事業所の出荷額は、平均約7,900万円です。出荷額は売上でも売値でもないので、相場には使いません。

言いにくいことの根拠

インテグループ。 成約実績の一覧346件のうち、売り手が自動車部品の製造の事例は2件です。どちらも売上5億円で、後継者不在の譲渡です。譲渡額と成約年は載っていません。有価証券報告書には、譲渡額3億円以下の案件で最低報酬の安さを訴求すると書いています。

M&Aサクシード。 自動車・附属品製造・卸売の区分に、案件を会員限定で載せています。ただし、自動車部品の成約事例も専門チームも公開していません。登録DB(2026年10月確認)では、サクシードとトランビが買い手情報の共有制度に未加盟です。私は両社に、買い手の確認方法を聞きます。

経営承継支援。 自動車部品のページに、報酬の基準の譲渡価格には役員退職金やオーナー借入金を含むと書いています。確認した公開資料に、自動車部品の成約事例はありません。中間報酬100万円は基本合意時に払い、成功報酬に充当されます。不成立時の返金条件は、公開資料にありません。

日本M&Aセンター。 業種名が自動車部品の売り手は10件で、2006年から2017年の成約です。自動車向けでも、業種名が金属部品加工などの案件は数えていません。報酬は負債を含む時価総資産が基準で、着手金は100万円以上です。

M&Aキャピタルパートナーズ。 料金ページに最低報酬の記載はありません。登録DB(2026年10月確認)の最低額は2,500万円です。

技術承継機構。 FAQに、取得関連費用を「株式価値算定においても」控除すると書いています。取得関連費用には、アドバイザーへの手数料や調査の費用が入ります。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
1億〜2億円は500万円の差各社の公式料金表を当サイトの式で試算
3億円で報酬の差が消える同じ式で3億円を試算
自動車部品の公開事例は2件インテグループの成約実績(当サイト集計)
5件中3件の買い手が上場企業M&Aキャピタルパートナーズの成約実績
輸送用機械まで含む13件中6件日本M&Aセンターの成約一覧(当サイト集計)
所有権の変更は通知の対象日本品質保証機構のIATF 16949の案内
移転は新たな申請が必要IATFのRules 6th Edition Q&A
発注側は取引先の承継を把握自動車産業適正取引ガイドライン
Tier3以降の営業利益率は0.6%帝国データバンク(2025年7月)
事業所は7,003、9人以下は33%2025年経済構造実態調査
製造業の後継者不在率は42.4%帝国データバンク(2025年)

手数料は税別、手取りは手数料を税込で差し引いた試算です。手取りは、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。取得費は、今回売る株式に対応する1,000万円で計算しました。事業譲渡と個人事業には当てはまりません。経済構造実態調査の数字は、個人経営を除く事業所の集計です。自動車向けの部品でも、金属製品やプラスチック製品に分類される事業所は含みません。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

手数料の目安が安い順(税別)総額を試算できる6社。評価の順位ではありません

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    M&A総合研究所仲介自動車部品の実績は今回の公式資料で見つからず
    2,500万円譲渡額の25%・最低報酬

成功報酬だけ分かる会社ほかの費用の金額が公開されていない

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  2. —
    fundbook仲介自動車部品の実績は今回の公式資料で見つからず
    2,500万円〜成功報酬のみ・中間金:有無と金額を公式資料で確認できない
料率が非公開か、当サイトの式で試算していない会社(2社)

BATONZ(バトンズ)(最低 200万円)・TRANBI(トランビ)

※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

12の相談先を公式情報で調査(確認 2026-10-08)。現在、掲載会社から広告料・紹介料は受け取っていません。

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