保険代理店の承継・売却、どこに相談するか

保険代理店(損害保険・生命保険の代理店)の売却の相談先14社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

株式の譲渡額が1億円以上なら、私はインテグループを第一候補にします。 料金と売り手の規模を公開する2社で比べ、標準の報酬が安いか同額だからです。支払いは決済完了時だけです。

この表は、企業内代理店を除く法人の株式譲渡向けです。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
譲渡額が未定、または1億円未満事業承継・引継ぎ支援センター紹介先より支援費用が安ければバトンズ紹介先の民間の支援は有料
1億円以上3億円未満インテグループ費用優先ならM&Aサクシード1億円では報酬が譲渡額の15%
3億円以上インテグループ損保中心で上場代理店に売るならM&A総合研究所同規模の成約価格を公開事例で確認できない

個人代理店と企業内代理店は、下の「状況別」を見てください。

決め手は3つだけ

1. 報酬総額と、最低報酬の重さ

株式を1億円で売る例です。税別報酬はインテグループ1,500万円です。ストライク2,100万円、M&A総合研究所2,500万円です。手取りは順に約6,860万円・約6,330万円・約5,980万円です。取得費は1,000万円です。ストライクは資産総額10億円以下で試算しました。退職金など、株式以外の受取額は含めていません。

2. 株式で売るか、契約を移すか

株式譲渡なら、代理店の登録と保険会社との委託契約は会社に残ります。事業譲渡では、買い手が自分の登録と委託契約で契約を引き取ります。法人の代理店なら、私は株式譲渡を先に検討します。登録は会社に残り、委託契約の当事者も変わりません。株主変更の承認・通知は、委託契約で確かめます。事業譲渡も、有償の提示を取って比べます。

3. 顧客が誰に付いているか

代理店の価値は、売主が辞めた後も手数料が続くかで決まります。インテグループの事例は、契約の大半が売主と法人顧客の信頼関係に紐づくと書いています。売主は当面、買い手の社員として引継ぎをしました。私は、退く日と引継ぎ中の役割を、価格と一緒に決めます。

言いにくいこと

  • 専門窓口でも、買い手1社の提示では決めません。
  • RKコンサルティングは移管後払いです。私は、支払額と支払日を先に固めます。
  • 買い手直接の4社は、どこも譲渡対価の算定方法を公開していません。
  • 公開例はインテグループ2件、M&A総合研究所1件です。両社とも成約年と譲渡額は非公開です。
  • ストライクの事例は買い手の話で、売り手の売上も譲渡額も載っていません。
  • M&Aキャピタルは公開10件、日本M&Aセンターは保険業を含む6件です。両社とも規模と価格は非公開です。
  • 企業内代理店は、金融庁の見直し案どおりなら、規制の対象になる契約が広がります。

面談で必ず聞くこと

  • 「私の譲渡額なら、報酬は税込でいくらですか。途中で払う額も含めて、書面でください」
  • 「報酬の計算のもとは、株式の譲渡額ですか。負債や退職金も含めますか」
  • 「売れなかったとき、戻らないお金はいくらですか」
  • 「保険会社との委託契約で、株主が替わるときの承認や通知は要りますか」
  • 「担当者本人の、保険代理店の成約は何件ですか。買い手の審査方法も教えてください」

どこから話を聞くか迷ったら、相談先診断で絞り込んでから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

民間の支援会社の第一候補は、全業種で同じ基準で選びます。自社の料金ページで料率と最低報酬が確定し、この業種の売り手の公開事例に規模か価格が載ることです。これは初回の相談先を選ぶ編集判断で、支援の腕の順位ではありません。今回、満たしたのはインテグループとM&A総合研究所の2社でした。公的窓口は、相談とマッチング支援が無料なので、1億円未満の入口として別に選びます。

ストライクの事例で分かる数字は、売り手から移籍した社員4名だけです。会社の売上や譲渡額ではないので、当サイトの判断で、規模が分かる事例に数えていません。AIGパートナーズの事例は、保険料の規模が分かります。ただし自社が買い手なので、仲介と同じ基準では比べません。

インテグループの報酬は、5億円以下の部分が5%で、最低1,500万円です。M&A総合研究所は、同じ5%で最低2,500万円です。どの譲渡額でも、インテグループが安いか同額です。5億円以上では、両社の報酬は同額になります。同額なら、私は決済時払いを明記する方から聞きます。だから私は、基準を満たす中でインテグループを先にします。

1億円の線は、その最低報酬の重さで引きました。インテグループの1,500万円は、1億円未満では譲渡額の15%を超えます。5,000万円なら3割です。だから私は、1億円未満では無料の公的窓口を先にします。株式を5,000万円で売るなら、バトンズの必須サポートは税別500万円です。手取りは約3,750万円で、インテグループの約2,870万円より多く残ります。紹介先の報酬より安ければ、私はバトンズに切り替えます。上場企業が開示した代理店事業の譲渡額は8,000万円でした。この額なら、インテグループの報酬でも約19%です。この例は事業譲渡で、株式の売却ではありません。

基準を満たさない会社の方が安い帯もあります。1億円以上の報酬は、次のとおりです(税別)。

譲渡額インテグループM&AサクシードM&A総合研究所バトンズ
1億円1,500万円1,000万円2,500万円1,000万円
1.5億円1,500万円1,000万円2,500万円1,250万円
2億円1,500万円1,000万円2,500万円1,500万円
3億円1,500万円1,500万円2,500万円1,500万円
5億円2,500万円2,500万円2,500万円2,500万円

1億〜2億円では、M&Aサクシードが500万円安くなります。差は3億円で無くなります。サクシードは、保険代理店の成約事例を公開していません。だから私は、費用を優先する人にだけサクシードを勧めます。1億円なら、インテグループの報酬は税込で550万円高くなります。インテグループで1億550万円に売れば、手取りがサクシードの1億円と並びます。私は、公開事例があるだけで550万円多く払いません。価格か引継ぎ条件で、その差を埋める提案を求めます。

3億円以上でも、最初の相談先はインテグループです。ただし同社の有価証券報告書は、譲渡額3億円以下の小規模案件を重点としています。損保中心の株式譲渡なら、私はM&A総合研究所も比べます。売上1億円の損保代理店を、株式譲渡で上場代理店へ譲った公開例があるからです。3億〜5億円未満では、M&A総合研究所が最大1,000万円高くなります。

買い手に直接売る道

保険代理店の承継では、買い手自身が窓口を出しています。AIGパートナーズ、伊藤忠オリコ保険サービス、丸紅、RKコンサルティングの4社です。AIGパートナーズとRKコンサルティングは、売り手の手数料がかからないと書いています。伊藤忠オリコと丸紅は、売り手の費用について書いていません。

私は、直接売却を比較から外しません。直接売却も、少なくとも2社から書面で提示をもらいます。仲介の提示とも比べます。まず、売る対象と代金の受取人をそろえます。価格、費用、勤務期間、支払日を並べて決めます。対価の計算のもとを書面で出さない会社は、比較から外します。

状況別:私ならこうする

個人代理店。 個人には株式がないので、事業譲渡か契約の移管になります。保険業法の登録は人に付き、承継の規定はありません。買い手が自分の登録と委託契約で、契約を引き取ります。私は、公的窓口と買い手直接の2社以上で対価を並べます。上の手取りの計算は、個人代理店には当てはまりません。

親会社グループの企業内代理店。 金融庁は2026年9月、特定契約比率規制の見直し案を公表しました。種目を限る経過措置を、適用日の約3年後に撤廃します。その2年後に、対象の範囲を広げます。伊藤忠オリコの事例には、特定契約比率の上昇で事業を譲った代理店があります。三菱マテリアルも、グループ会社の企業内代理店の事業を譲ると発表しました。譲渡日は2026年3月31日です。カンセキと三菱マテリアルの譲渡先は、どちらもエムエスティ保険サービスです。私は、商社系2社とエムエスティ保険サービス、仲介1社に提示を頼みます。グループの職域契約の扱いは、価格と一緒に決めます。

自動車販売・整備を兼業する損保代理店。 改正保険業法は2026年6月1日に施行されました。乗合で規模の大きい損保代理店は、兼業の監視体制が義務になりました。日本M&Aセンターの一覧には、損害保険代理業を自動車整備の会社へ譲った例があります。私は、本業ごと売るか代理店だけ売るかを先に決めます。詳しくは「自動車販売」「自動車整備」のページを見てください。

生保中心の直販型代理店。 インテグループの事例は、北陸の生保中心の代理店(売上1.3億円)です。投資会社へ株式で譲り、トップ面談から約2か月で成立しました。売主は当面、社長を続けました。インテグループの公開2例は、どちらも売主が残る案件です。すぐ辞めたいなら、私はこの事例だけでは選びません。

来店型ショップ。 fundbookの事例は、奈良の来店型ショップです。保険代理店のF.L.Pへ譲り、屋号を残しました。私は、店舗の賃貸借と屋号の扱いを、最初の面談で伝えます。

気にしなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの「保険・保険代理店」104件は、掲載中の案件の数です。成約の数でも、買い手の数でもありません。
  • 大手の買収のニュース。 解説記事に並ぶ保険会社や商社の買収は、公表されたM&Aの紹介です。その記事の会社が仲介したとは限りません。私は、自社の成約事例と担当者本人の経験で選びます。
  • 代理店の数が減っていること。 代理店数の減少だけで、安売りはしません。2024年度は代理店数が7.0%減り、募集従事者数は0.8%減でした。私は、保有契約と引継ぎ後の手数料収入を示します。

言いにくいことの根拠

業種特化の窓口。 「保険代理店専門」を掲げ、料金と成約事例を公式に出す仲介会社は見つかりませんでした。業種特化の窓口として見つかったのは、自社が譲り受ける4社です。買い手の窓口は、自社に売ってもらうための窓口です。私は、買い手直接の提示を、仲介の提示と同じ表に並べます。

RKコンサルティング。 公式ページは「契約譲渡(契約移管)に伴う対価等は発生しないことが一般的」と書きます。続けて、自社が保有契約と資産から対価を算定すると書きます。RKの対価は、契約の移管の後に一時金で払うと書いています。

買い手直接の4社。 どの会社も、譲渡対価の算定方法を公開していません。AIGパートナーズの事例は、譲渡額ではなく取扱保険料で規模を示します。伊藤忠オリコの事例には、規模も価格もありません。丸紅の窓口には、事例がありません。

インテグループ(第一候補)。 保険代理店の公開成約事例は2件です。売上5,000万円の事業譲渡と、売上1.3億円の株式譲渡です。どちらも成約年と譲渡額が載っていません。有価証券報告書は、譲渡金額3億円以下の小規模案件で最低報酬1,500万円の安さを訴求すると書いています。

ストライク。 成約インタビューは、買い手の遠州鉄道の話です。売り手から移籍した社員は4名と書いています。売り手の売上や譲渡額は載っていません。料金ページは、役員退職金やオーナーからの借入金の返済も報酬の基準に含めています。

日本M&AセンターとM&Aキャピタル。 日本M&Aセンターの一覧は、年月・業種・地域の表示です。M&Aキャピタルは、譲渡方法も掲載しています。公開10件のうち8件が株式譲渡です。両社とも、一覧に規模と価格は載せていません。日本M&Aセンターの6件の最新は2023年3月です。「保険業」は、代理店か保険会社かを一覧から区別できません。M&Aキャピタルの最低報酬は、登録DBでは2,500万円です。料金ページには書いていません。

企業内代理店の規制。 金融庁の見直し案は、企業内代理店について書いています。「保険募集に係る実務能力が不十分であったとしても」手数料収入で存続できている実態がある、という記載です。適用除外の枠組みも作ります。案の段階なので、最終の内容と適用日は今後の公表で確かめてください。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
基準を満たすのは2社各社の料金ページと公開事例
インテグループが安いか同額各社の公式料金表を当サイトの式で試算
1億〜2億円でサクシードが500万円安い同じ式で試算
代理店事業の譲渡額8,000万円カンセキの適時開示(2022年9月)
RKの対価は契約移管後に一時金で支払いRKコンサルティングの公式ページ
代理店登録に承継の規定がない保険業法 第276条・第280条
兼業の監視体制の義務金融庁 改正保険業法(2026年6月施行)
特定契約比率規制の見直し金融庁 監督指針の改正案(2026年9月)
損保代理店は14万138店日本損害保険協会(2024年度末)
廃止1万4,848店・新設4,334店日本損害保険協会(2024年度)
保険代理店の成約10件の買い手M&Aキャピタルの成約一覧(当サイト集計)
保険の成約6件の買い手日本M&Aセンターの成約一覧(当サイト集計)

手数料は税別、手取りは手数料を税込で差し引いた試算です。手取りは、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。取得費は、今回売る株式に対応する1,000万円で計算しました。事業譲渡と個人代理店には当てはまりません。カンセキの譲渡は会社の事業譲渡で、売上1,900万円の事業でした。保険会社との委託契約の承認条項の有無は契約ごとに違い、今回は契約書の文面を確認していません。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

手数料の目安が安い順(税別)総額を試算できる5社。評価の順位ではありません

  1. 1
    M&Aサクシード(旧ビズリーチ・サクシード)マッチング保険代理店の実績は今回の公式資料で見つからず
    1,000万円譲渡額の10%・最低報酬
  2. 2
    インテグループ仲介保険代理店の公開事例:2件を確認(累計件数は未公開)
    1,500万円譲渡額の15%・最低報酬
  3. 3
    ストライク仲介保険代理店の公開事例:1件を確認(累計件数は未公開)
    2,100万円譲渡額の21%・最低報酬※
  4. 4
    M&A総合研究所仲介保険代理店の公開事例:1件を確認(累計件数は未公開)
    2,500万円譲渡額の25%・最低報酬
  5. 5
    M&Aキャピタルパートナーズ仲介会社の公表:成約実績一覧(全1,673件・2026-10-08確認)で、売り手が保険代理店…
    2,500万円譲渡額の25%・最低報酬※

成功報酬だけ分かる会社ほかの費用の金額が公開されていない

  1. —
    日本M&Aセンター仲介会社の公表:成約実績一覧(2026-10-08に全業種区分を取得、5,823行)で、売り手…
    2,000万円〜成功報酬のみ・中間金:有無と金額を公式資料で確認できない
  2. —
    fundbook仲介保険代理店の公開事例:1件を確認(累計件数は未公開)
    2,500万円〜成功報酬のみ・中間金:有無と金額を公式資料で確認できない
料率が非公開か、当サイトの式で試算していない会社(2社)

BATONZ(バトンズ)(最低 200万円)・TRANBI(トランビ)

※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

14の相談先を公式情報で調査(確認 2026-10-08)。現在、掲載会社から広告料・紹介料は受け取っていません。

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マッチングサイト(自分で買い手を探す)3社

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売却の準備ガイド

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