社会保険労務士事務所の承継・売却、どこに相談するか

社会保険労務士事務所(個人事務所・社会保険労務士法人)の売却の相談先12社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

まず、個人事務所か社労士法人かと、売上と譲渡額の目安をつけてください。私の第一候補は、売上と譲渡額の目安がともに3,000万円以上ならインテグループです。それ未満なら、料率と最低報酬を公式に確かめられて合う会社がないので、第一候補はなしです。 選ぶ基準は2つです。1つ目は、料率と最低報酬を公式に確認できることです。2つ目は、社労士事務所の売り手の公開事例に、規模が数字で載ることです。両方を満たすのは、インテグループと日本M&Aセンターの2社だけです。3,000万円の線は、インテグループの業界ページと会社資料に合わせた当サイトの判断です。

金額は、個人事務所なら事業の対価です。社労士法人は、持分譲渡・社員の入退・合併・事業譲渡を比べます。上から最初に当てはまる行が、あなたの行です。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
売り方か金額が未定引継ぎ支援センター売り方と金額が決まったら下の行へ紹介先の民間の支援は有料
売上か譲渡額が3,000万円未満第一候補なし事例で選ぶなら士業事務所M&A支援協会協会は料率と計算の基準が非公開
売上と譲渡額がともに3,000万円以上インテグループ合併の事例重視なら日本M&Aセンター事業譲渡の料金の基準が非公開

決め手は3つだけ

1. 個人事務所か、社労士法人か

個人事務所は、資格者本人の事務所です。引き継ぐのは、顧問契約と雇用関係と設備です。顧問契約を移すには、顧問先ごとの承諾が要ります。社労士法人の社員は、出資者である社労士です。持分の譲渡には、原則として他の社員全員の承諾が要ります。合併には、総社員の同意が要ります。

2. 最低報酬が対価に見合うか

開業事務所の売上は、中央値が550万円です。売上550万円の事務所を同じ額で譲ると、最低報酬1,000万円の会社では報酬のほうが大きくなります。最低250万円でも、税込で対価の半分です。私は、売上より先に年間の顧問報酬を見ます。

3. 誰がその事務所に残るか

開業社労士が事務所を2つ持つには、厚生労働大臣の許可が要ります。社労士法人の事務所には、社員の常駐が要ります。所長が引退するなら、代わりに常駐する社員を先に決めます。拠点を残す話は、その人が決まってからです。

言いにくいこと

  • 小さな事務所に合い、料率と最低報酬を公式に書く会社は、12社にありません。
  • 士業事務所M&A支援協会は、公式サイトに料率と計算の基準を書いていません。
  • 士業事務所M&A支援協会の公開5件は、譲渡額と成約年が載っていません。
  • インテグループは、譲渡金額3,000万円未満をほぼ扱わないと資料に書いています。
  • インテグループの料率表は株式価値が基準で、事業譲渡の基準は載っていません。
  • 社労士事務所の価格が載る公開事例は、12社のどこにも見つかりませんでした。

面談で必ず聞くこと

  • 「私の事務所なら、報酬は税込でいくらですか。最低額と、不成立時に戻らない額も、書面でください」
  • 「個人事務所の事業譲渡や法人の持分では、何に料率を掛けますか」
  • 「対価が毎月払いなら、報酬は何に掛け、いつ払いますか。書面でください」
  • 「担当者本人の社労士事務所の成約は何件ですか。個人事務所と法人の内訳も教えてください」
  • 「顧問先には、いつ、誰が説明しますか。名前を出す前の同意は、どう取りますか」

迷ったら、相談先診断で絞ってから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

選び方の基準は2点です。1つ目は、料率と最低報酬の両方を公式に確認できるかです。最低額だけの会社は満たさないとしました。2つ目は、社労士事務所の売り手の公開事例が1件以上あり、規模が載るかです。規模は、売上・顧問先数・職員数のどれかが数字で載るものとしました。この線と数え方は、当サイトの判断です。ほかの業種のページと同じ基準で、12社に当てました。

会社社労士事務所の公開事例料金を公式に確認
インテグループ2件。売上3,000万・5,000万円株価基準の料率表。最低1,500万円
日本M&Aセンター1件。売上高約7,692万円総資産基準の料率表。最低2,000万円
士業事務所M&A支援協会5件。顧問先数・職員数あり250万円〜のみ。料率なし
社労士専門M&Aサポートセンター非掲載5%〜のみ。最低保証なし
M&Aサクシード成約事例は非掲載5%。最低1,000万円
ストライク確認できず料率表。最低2,000万円
M&A総合研究所一覧に該当なし料率表。最低2,500万円
M&Aキャピタルパートナーズ公開224件を確認し該当なし最低報酬は登録DBのみ
バトンズ掲載28件。成約の数ではない事業譲渡は自力なら売り手無料
トランビ士業の区分のみ。件数は未確認売り手無料
事業承継・引継ぎ支援センター業種別の件数は非公開相談は無料
社会保険労務士法人アイプラス件数の記載なし自社が買い手

両方を満たした2社のうち、私はインテグループを先にします。最低報酬が500万円低く、着手金がないからです。日本M&Aセンターは、料率の基準が負債を含む時価総資産です。決算資料には、売上1億円未満の受託割合が減ったと書いています。2社とも、個人事務所の事業譲渡や持分への当て方は書いていません。私は、ここで先に見積りを取ります。契約先は、士業事務所M&A支援協会など他社の税込総額と比べて決めます。

売上か譲渡額が3,000万円未満では、2社とも合いません。インテグループは、譲渡金額3,000万円未満をほぼ扱わないと資料に書いています。日本M&Aセンターの最低報酬は2,000万円です。そのため、この層の第一候補はなしとしました。士業事務所M&A支援協会は、料金の線を満たしません。ただし、顧問先17件のひとり事務所を含む公開事例が5件あります。事例を重視するなら、私は協会に見積りを頼みます。

合併の事例を重視するなら、日本M&Aセンターも比べます。2024年10月の社労士法人同士の吸収合併の事例があります。インテグループより、最低成功報酬は500万円高くなります。着手金も別にかかります。

料金の差も計算しました。税別で、負債がない前提です。譲渡額3,000万円なら、インテグループは1,500万円です。日本M&Aセンターは、簿価総資産2億円以下として判明分が2,100万円です。中間金の有無は報酬表に書かれていません。ストライクは、資産総額10億円以下として2,100万円です。M&A総合研究所は2,500万円です。M&Aサクシードは1,000万円で、試算できる会社で最も低くなります。同じ金額を基準にすると、3億円未満はサクシードが安くなります。3億〜5億円は同額で、5億円超はインテグループが安くなります。ただし、サクシードは社労士事務所の成約事例を載せておらず、法人限定の場です。

最低報酬と対価の釣り合いも見ました。給与計算の会社の株式を3,000万円で売る場合を、取得費1,000万円で計算します。報酬1,000万円なら、手取りは約1,717万円です。1,500万円なら約1,279万円、2,100万円なら約690万円です。この式は、個人が株式を売る場合のものです。個人事務所の事業譲渡と、社労士法人の持分には当てはめていません。

状況別:私ならこうする

ひとり事務所や、顧問先が数十件の事務所。 最低報酬の差が、手取りを大きく左右します。私は、引継ぎ支援センターで売り方を整理します。そのうえで、士業事務所M&A支援協会と社労士専門M&Aサポートセンターに、同じ条件で書面の見積りを頼みます。後者は、最低保証金額を設けていないと書いています。自分で相手と話せるなら、バトンズとトランビは事業譲渡なら売り手無料です。

社員1人の社労士法人。 所長が亡くなると、社員が欠けて法人は解散します。相続人が同意すれば、新しい社員を入れて法人を続けられます。私は、元気なうちに、社員として入る社労士を決めておきます。入った社員は、加入前の債務にも責任を負います。

社員2人以上の社労士法人。 持分の譲渡は、原則として他の社員全員の承諾が要ります。合併は、総社員の同意が要ります。退社の予告の条件は、定款で確かめます。私は、承継の方法と対価の受取日を決めてから、退社日を決めます。

所長が急に倒れた、亡くなった。 私は、まず手続き業務を引き継ぐ社労士を探します。顧問先への説明と、承諾の取り方も決めます。

給与計算の会社も持つ事務所。 株式会社は、株式譲渡で社労士以外にも売れます。ただし、その会社は報酬を得て手続きの代行を行えません。買い手が税理士法人でも、提出代行と事務代理は付随業務に入りません。私は、手続き業務を引き継ぐ社労士事務所・法人を先に決めます。

職員を全員残したい。 事業譲渡で労働契約を移すには、職員本人の承諾が要ります。士業事務所M&A支援協会は、全員の雇用継続を前提に交渉すると書いています。私は、給与と勤務地を変えない期間を、契約書に書いてもらいます。

気にしなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの「社労士・労務関連サービス」28件は掲載の数です。労務関連の会社も含みます。成約の数でも、買い手の数でもありません。
  • 「業界No.1」の表記。 士業事務所M&A支援協会の「事業承継支援実績 業界No.1」は、公式サイトに根拠の記載がありません。
  • 出典のない業界の数字。 社労士専門M&Aサポートセンターの「91.1%」「平均60歳」は、出典が書かれていません。私は選定に使いません。

言いにくいことの根拠

士業事務所M&A支援協会。 社労士事務所のページは、成功報酬を「250万円~」とだけ書きます。料率と計算の基準は、公式サイトにありません。登録DB(2026年4月)は、株価レーマン・最低250万円です。公開5件は顧問先数と職員数が載り、譲渡額と成約年はありません。インタビューの日付は掲載日です。

インテグループ。 業界ページの成約実績は2件で、売り手の売上は3,000万円と5,000万円です。譲渡額と成約年は載っていません。成長可能性の資料(2026年6月30日)は、3,000万円未満はほぼ扱わないと書きます。料金ページの基準は株式価値で、個人事務所の事業譲渡の基準は書いていません。

大手仲介4社。 最低報酬は、日本M&Aセンターとストライクが2,000万円です。M&A総合研究所は2,500万円です。M&Aキャピタルパートナーズは、登録DBで2,500万円です。M&A総合研究所とM&Aキャピタルパートナーズとストライクには、社労士事務所の公開事例を確認できませんでした。

社労士専門M&Aサポートセンター。 運営はM&Nコンサルティングです。報酬は成約金額の5%からで、最低保証金額は設けていないと書きます。社労士事務所の成約事例は非掲載です。2026年4月20日取得の登録DBに、運営会社と同名の法人はありません。

M&Aサクシード。 最低報酬は1,000万円です。掲載中の社労士法人の案件は、売却希望額の下限が700万円です。士業事務所のページに、社労士事務所の成約事例はありません。

第一候補の確認点。 インテグループは、社労士事務所の累計の成約件数を公開していません。私は、担当者本人の成約件数を、ほかの会社と同じ質問で聞きます。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
複数の事務所の設置には大臣の許可社労士法第18条第1項
秘密を守る義務(退職後も)社労士法第21条・第27条の2
契約の移転は相手方の承諾民法第539条の2
労働契約の移転は本人の承諾民法第625条第1項
法人の社員は社労士のみ社労士法第25条の8
法人の事務所に社員が常駐社労士法第25条の16
社員が欠けると解散社労士法第25条の22
相続人の同意で法人を継続社労士法第25条の22の2
合併は総社員の同意社労士法第25条の23
持分の譲渡は他の社員全員の承諾会社法第585条(社労士法で準用)
加入した社員は加入前の債務も負う会社法第605条(社労士法で準用)
退社の予告は定款と存続期間で変わる会社法第606条(社労士法で準用)
社労士でない者は手続き代行を業にできない社労士法第27条
提出代行等は税理士法人の付随業務外日税連「税理士法人の手引」p.11
承継に伴う個人番号の提供は例外番号法第19条第6号
登録者46,237人・法人会員数3,103連合会の白書2025(2025年3月末)
社員1人の法人1,529連合会の白書2025(2025年3月末)
登録者の平均年齢57.06歳連合会の白書2025(2025年3月末)
事務所売上の中央値550万円連合会の2024年度社労士実態調査
ひとり事務所56.4%連合会の2024年度社労士実態調査
サービス業の後継者不在率52.9%帝国データバンク(2025年11月21日)
社労士事務所の売り手5件士業事務所M&A支援協会の事例(当サイト集計)

手数料は税別です。手取りの2,100万円の例は、ストライクの基本合意報酬100万円を含めた額です。手取りは手数料を税込で差し引いた試算で、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。2027年以後に売る場合です。買い手が払う費用と、外部専門家の費用・実費は、どの試算にも含めていません。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

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料率が非公開か、当サイトの式で試算していない会社(4社)

士業事務所M&A支援協会(アックスコンサルティング)(最低 250万円)・社労士専門M&Aサポートセンター(M&Nコンサルティング)・BATONZ(バトンズ)(最低 200万円)・TRANBI(トランビ)

※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

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