福祉用具レンタル会社の承継・売却、どこに相談するか

福祉用具貸与・販売(福祉用具レンタル事業者)の売却の相談先14社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

私は、福祉用具の事業を譲渡し、交渉を自分で進めるなら、バトンズで買い手を探します。 理由は2つです。事業譲渡を自分で進めれば、売り手の利用料は無料です。貸与を含む成約済み3件に、売上の帯が載ります。

上場会社が開示した2件では、事業の価格は事業の売上の0.69倍と0.84倍でした。小さな事業ほど、最低報酬の重さが手取りを決めます。株式の価格帯は、負債0の目安です。負債がある会社は、税込総額で選び直します。上から最初に当てはまる行が、あなたの行です。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
売り方か売値が未定引継ぎ支援センター事業譲渡を自力で進めるならバトンズ福祉用具の実績は非公開
事業譲渡を自力で進めるバトンズ引継ぎを任せるならブティックス交渉と承諾集めは自分で
事業譲渡の引継ぎを任せるブティックス費用を抑えるならバトンズの有料支援双方から報酬を受け取る
株式を売る・売値1,000万円未満引継ぎ支援センター有料の支援を頼むならブティックス紹介された民間支援は有料
株式を売る・1,000万以上2.2億円未満ブティックス買い手の負担を抑えるならバトンズ買い手からも最低500万円
株式を売る・売値2.2億円以上インテグループ買い手の費用を抑えるならバトンズ買い手にも同じ料率がかかる

決め手は3つだけ

  • 何を売るか。大手の買い手は、譲り受けた利用者を自社の営業所に移すと公表しています。事業譲渡では、利用者ごとの承諾が要ります。営業所と雇用を残す条件は、買い手と先に決めます。
  • 在庫を持つか。消毒と保管は、外部の事業者に任せられます。在庫を持たない会社が売るのは、利用者の契約とケアマネジャーとの関係です。私は、利用者数と紹介元のケアマネジャー数を先に数えます。
  • 単価を国が抑えていること。貸与価格には、商品ごとの上限があります。2024年4月から、多点杖や固定用スロープなどは販売も選べます。私は、種目別の売上を出して見せます。

言いにくいこと

  • バトンズの成約済み3件の希望額は、100万〜800万円です。
  • 3件はいまの料金体系より前の募集で、会社譲渡なら今は最低200万円の支援が必須です。
  • 7社の最低報酬は、掲載希望額の中央値1,000万円以上です。
  • ブティックスは買い手からも最低500万円を受け取ります。
  • M&A Doは売り手0円ですが、買い手報酬の額は非公開です。
  • 株式譲渡でも、営業所を統合した公表例があります。
  • 引継ぎ支援センターの相談は無料です。紹介先の民間支援は有料です。

面談で必ず聞くこと

  • 「報酬は税込でいくらですか。負債や退職金を計算のもとに含めますか」
  • 「同じ売値で、買い手の税込総負担はいくらですか」
  • 「利用者の承諾と単価調整を、誰がどこまで担当しますか」
  • 「買い手は、私の営業所と従業員を残しますか」

迷ったら、相談先診断で絞ってから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

第一候補の基準は2点で、全業種で同じです。料率と最低報酬を、自社サイトで確認できるか。福祉用具の売り手の公開事例に、規模か価格が数字で載るか。満たしたのは、バトンズ・ブティックス・インテグループ・ストライクの4社です。

バトンズの事例は、「成約済み」と表示された掲載案件3件です。売上の帯と方式が載るので、公開事例に数えました。ほかの掲載先にも、この線を同じように当てています。ブティックスの売却案件一覧とM&Aサクシードの掲載には、成約の表示がありません。ストライクの事例の売上は、同社サイトのM&Aニュースで確認しました。この2つの扱いは当サイトの判断です。

価格帯は、料金で分けました。第一候補は、公開された譲渡方式と年商で選びました。事例の売値は、どの会社も非公表です。これも当サイトの判断です。公的窓口は、相談が無料なので別に扱いました。

会社料金を自社サイトで確認福祉用具の公開事例
バトンズ必須支援は最低200万円貸与を含む成約済み表示3件
ブティックス100万円+料率成約事例3件。年商あり
インテグループ料率表。最低1,500万円貸与5件・販売1件。売上あり
ストライク料率表。最低2,000万円1件。売上は自社の記事
M&A Do売り手は0円他社の案件の紹介のみ
カイポケM&A100万円+料率コラムのみ
CBヘルスケア最低額の記載なしコラムのみ
M&Aキャピタルパートナーズ最低額の記載なし成約1件。規模の記載なし
M&Aサクシード5%。最低1,000万円分類内11件。自社成約例は未確認
トランビ売り手は無料件数も確認できず
日本M&Aセンター料率表。最低2,000万円福祉用具と分かる例なし
M&A総合研究所料率表。最低2,500万円他社の案件の紹介のみ
ヤマシタ買い手のため対象外自社の譲受を公表
事業承継・引継ぎ支援センター相談は無料業種別の件数は非公開

「例なし」「未確認」は、自社の成約事例を公式資料で確認できなかった、という意味です。

事業譲渡を自力で進める行は、バトンズを第一候補にしました。売り手は無料で、成約済みの事業譲渡が1件あります。売上約2,000万円で、希望額は300万円の案件です。

引継ぎを任せる行は、ブティックスです。年商2,000万円強の事業譲渡の事例に、仕事の中身が載っています。利用者ごとの単価の違いを事前に調整し、高い継続率を保ったと書いています。その代わり、売り手と買い手の両方に報酬がかかります。バトンズの有料支援は、事業譲渡なら売値1,000万〜4,000万円未満で200万円です。

1,000万円で行を分けたのは、報酬の重さが根拠です。600万円の株式譲渡なら、ブティックスの売り手報酬は160万円です。バトンズの必須支援は200万円です。どちらも売値の2割を超えるので、この規模は無料の公的窓口から始めます。有料に進むなら、売り手報酬の安いブティックスを先に比べます。

2.2億円で行を分けたのは、負債0で料金が並ぶ点だからです。ブティックスとインテグループは、ともに1,500万円になります。ブティックスは、引き受ける負債も報酬の基準に入れます。株価2億円で負債5,000万円なら、ブティックスは1,650万円です。インテグループの1,500万円を上回るので、負債のある会社は2.2億円未満でも比べ直します。

確認できた費用を、株式譲渡で比べます。負債0、税別で、条件は各社の料金ページのとおりです。

売値ブティックスバトンズインテグループ
1,200万円220万円350万円1,500万円
3,000万円390万円350万円1,500万円
5,000万円560万円500万円1,500万円
1億円900万円1,000万円1,500万円
2.2億円1,500万円1,500万円1,500万円
3億円1,900万円1,500万円1,500万円

3,000万円と5,000万円では、バトンズの方が40万〜60万円安くなります。それでも私は、この行でブティックスを選びます。福祉用具貸与の年商6,500万円の法人譲渡例があります。居宅・訪問介護を併営する、年商1.5億円の法人譲渡例もあります。バトンズの会社譲渡の成約2件は、希望額100万円と800万円の案件でした。

2.2億〜5億円では、バトンズとインテグループの売り手報酬が同額です。5億円を超えると、インテグループが安くなります。私は、大手への株式譲渡の支援実績を優先します。インテグループには、売上3億円の会社を上場大手へ株式譲渡した事例があります。今回集計した、貸与を含むバトンズの成約済み3件は、売上5,000万円未満です。

ただし、買い手の負担は大きく違います。3億円なら、買い手の報酬はバトンズ600万円、インテグループ1,500万円です。双方の合計は、バトンズ2,100万円、インテグループ3,000万円です。私は、この差が売値にどう響くかを両社に聞きます。

買い手の負担をまとめます。バトンズの買い手の利用料は成約価格の2%で、最低35万〜150万円です。ブティックスは、買い手から最低500万円を受け取ります。インテグループは、買い手も売り手と同じ料金体系です。300万円の事業譲渡なら、ブティックスでは双方の手数料が630万円以上です。

ストライクは、報酬基準額4億円以下なら成約報酬が2,000万円です。報酬基準額には、退職金や借入金返済なども入ります。基本合意報酬は、資産総額10億円以下なら100万円です。負債0の試算では、どの売値でもインテグループより高くなります。

以下は、個人株主が株式を売る場合の試算です。事業譲渡では、会社が売って会社に税金がかかるので、使いません。取得費1,000万円を入力し、譲渡額の5%と大きい方を使います。バトンズで999万円で売ると、手取りは約779万円です。1,000万円で売ると、支援料が上がり約615万円に減ります。5,000万円で売ると、手取りはバトンズ約3,749万円、ブティックス約3,697万円です。インテグループでは約2,873万円です。3億円で売ると、インテグループとバトンズは約2億2,895万円です。

状況別:私ならこうする

訪問介護や居宅も営み、福祉用具だけを切り出す。 事業譲渡か吸収分割になります。吸収分割でも、買い手の事業所として新規指定が要ります。手続きの簡素化はありますが、自動では引き継がれません。売る側の事業所は、廃止の届出を1か月前までに出します。私は、利用者に案内する日と廃止届の日を先に決めます。

在庫を持たず、消毒と保管を外部に任せている。 売るものは、利用者の契約と紹介元との関係です。私は、利用者数と平均単価、紹介元のケアマネジャー数を一枚にまとめます。委託先との契約を買い手が引き継ぐかも確かめます。

自社で在庫と消毒の設備を持つ。 レンタル資産の数と状態が価格に入ります。私は、資産の台帳と貸出中の割合を出します。古い資産が多いと、値引きの材料になるからです。

医療機器も貸している。 高度管理医療機器等は、営業所ごとに許可が要ります。管理医療機器は、営業所ごとの届出を確認します。私は、事業譲渡の前に、買い手側の手続きを自治体に確かめます。

福祉用具専門相談員が、ちょうど2人。 人員基準は常勤換算で2以上です。1人辞めると基準を割ります。私は、売る前に退職の予定を聞き、補充の計画を買い手と決めます。

大手1社から、直接声がかかった。 ヤマシタの株式取得の対象は、介護保険の直接レンタル売上1億円以上です。売値の高さではなく、この売上で当てはまるかを見ます。私は、その提示を持って、他の買い手の値段も聞きます。ブティックスの埼玉の事例では、3社と面談しています。最も高い価格を出した会社と交渉を進めました。

記録や計画書に、自信がない。 ブティックスの埼玉の事例では、調査で是正が要る点が見つかりました。行政に報告書を出し、自主的に報告して成約しています。私は、売る前に貸与計画とモニタリングの記録を点検します。

これだけで決めなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの福祉用具24件は掲載の数で、成約の数ではありません。
  • 売上倍率。 レンタル売上と事業全体の売上は分けてください。0.69倍の事例は、販売と住宅改修も含みます。「レンタル売上の80〜110%」は、インテグループの見解です。
  • 事業所数の減少。 事業所は1.2%減りましたが、利用者は2.0%増えています。あなたの会社の価格は、この数字では決まりません。

言いにくいことの根拠

バトンズ。 「福祉用具、住宅」の一覧で、福祉用具のレンタル・貸与を含む案件は24件です。成約済みは3件で、奈良県・埼玉県・北海道の会社です。利用者数は、奈良と埼玉の2件に載っています。3件とも、案件ページの支援専門家の欄は「なし」です。取引全体で専門家を使わなかったかは、分かりません。募集開始は2022年10月から2024年10月で、2026年7月からの料金体系より前です。案件ページに、成約価格と成約年は載っていません。

最低報酬の重い7社。 公式の最低報酬は、M&Aサクシード1,000万円、インテグループ1,500万円です。日本M&Aセンターとストライクは2,000万円、M&A総合研究所は2,500万円です。CBヘルスケアとM&Aキャピタルパートナーズの2,500万円は、登録DBの値です。バトンズの希望額20件の中央値は1,000万円で、11件が1,000万円以下です。

ブティックス。 料金ページの比較表に、買い手の最低手数料500万円と載っています。年商2,000万円強の事業譲渡も、この料金体系の対象です。

M&A Do。 福祉用具の専用サイトは、事例を「当センターの仲介実績ではありません」と明記しています。買い手から受け取る報酬の額は、載っていません。自社の公開成約例と買い手報酬を確認できないため、私は第一候補から外します。

営業所の統合。 ヤマシタは、関西の事業の譲受とほっとの株式取得で、既存の営業所に統合すると発表しました。ほっとは株式取得です。関西の事業の利用者は約1,000人でした。

価格の開示。 幸和製作所の子会社は、売上1億1,873万円の事業を1億円でヤマシタに譲りました。佐藤は、売上1億200万円の事業を7,000万円でトーカイに承継させました。佐藤の事業には、販売と住宅改修も含みます。

第一候補の確認点。 今回集計した、貸与を含むバトンズの成約済み3件は、売上5,000万円未満です。2件は会社譲渡で、いまの料金体系なら有料支援が必須です。私は、掲載先としての実績と、担当する専門家本人の実績を分けて聞きます。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
指定は事業所ごと、申請者は法人介護保険法第70条・施行規則
吸収分割でも新規指定が要る介護保険最新情報Vol.862
事業譲渡で契約上の地位を移すには承諾民法第539条の2
相談員は常勤換算2以上居宅サービス基準第194条
消毒と保管は委託できる居宅サービス基準第203条
対象用具は6か月以内にモニタリング居宅サービス基準第199条の2
貸与価格に商品ごとの上限介護給付費分科会の資料(2020年)
多点杖・スロープなどは販売も選べる厚生労働省の通知の改正(2024年)
医療機器は営業所ごとに許可・届出薬機法第39条・第39条の3
事業所7,736、会社が94.9%介護サービス施設・事業所調査
受給者295万人、費用3,926億円介護給付費等実態統計(2024年度)
収支差率5.4%、赤字は37.0%介護事業経営概況調査(2025年)
価格は事業の売上の0.69倍と0.84倍トーカイ・幸和製作所の開示
大手は既存の営業所に統合ヤマシタの発表
希望額の中央値1,000万円バトンズの一覧(当サイト集計)

手数料は税別、手取りは手数料を税込で差し引いた試算です。手取りは、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。2027年以後に売る場合で、事業譲渡には当てはまりません。ブティックスは、負債0として計算しました。バトンズは、株式譲渡で必須のプレミアムサポートの料金表で計算しました。手取りの試算には、買い手が払う費用と、外部専門家の費用・実費を含めていません。受給者数は介護給付の年間実受給者数で、介護予防を含みません。事業所数は2024年10月1日現在です。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

手数料の目安が安い順(税別)総額を試算できる8社。評価の順位ではありません

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料率が非公開か、当サイトの式で試算していない会社(2社)

BATONZ(バトンズ)(最低 200万円)・TRANBI(トランビ)

※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

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