不動産会社の承継・売却、どこに相談するか

不動産会社(売買仲介・賃貸管理・地場の不動産業)の売却の相談先14社を、手数料と実績で比較。

迷ったらこう選ぶ:編集部の判断

まず、売るのが会社ごとか事業だけかを決めてください。私は、譲渡額が1億円未満ならReSMA、1億円以上ならインテグループに最初に聞きます。 第一候補は、全社に同じ2つの基準を当てて選びました。料金(料率と最低報酬)を公式に確認できるか、不動産会社の売り手の公開事例が5件以上あり規模か価格がそろうか、です。両方を満たしたのは、ReSMA・インテグループ・M&Aベストパートナーズの3社でした。ReSMAは最低報酬がなく、譲渡金額つきの事例を13本載せています。残る2社は、最低報酬が安いインテグループを先にしました。

この表は、不動産会社を売る人向けです。金額は、会社なら株式の譲渡額、事業なら対価です。上から順に見て、最初に当てはまる行があなたの行です。

あなたの状況私の第一候補こうなら逆転いちばんのリスク
売り方も金額も未定事業承継・引継ぎ支援センター自力で交渉できるならトランビ紹介先の民間の支援は有料
譲渡額が1億円未満ReSMA1,100万円超で安さ優先なら不動産業界M&A相談センター1,000万円超の部分は一律10%
譲渡額が1億円以上インテグループ最低報酬を下げたいならM&Aサクシード最低1,500万円で、事例に譲渡額なし

決め手は3つだけ

1. 何を売るか

株式譲渡は、宅建業免許も賃貸住宅管理業の登録も会社に残ります。事業譲渡は、買い手が免許と登録を取り直し、管理物件はオーナーの承諾が要ります。私は、売る物を先に決めます。

2. 社長が抜けても営業できるか

宅建士が欠けたら、2週間以内に補う決まりです。業務管理者が全員欠けると、補うまで管理受託契約を結べません。社長が両方を兼ねるなら、私は買い手が人を置けるかを先に確かめます。

3. 報酬の基準に負債が入るか

負債が大きい会社は、報酬の基準で費用が変わります。譲渡額1億円・負債7億円なら、日本M&Aセンターの基準で成功報酬は3,700万円です。インテグループは1,500万円です。

言いにくいこと

  • ReSMAの料金表は画像で、図の例が料率と合いません。
  • ReSMAは、1,000万円を超える部分に一律10%がかかります。
  • ReSMAの公開事例で、譲渡金額の最高は2,500万円です。
  • インテグループは、最低報酬が1,500万円で、事例に譲渡額がありません。
  • 不動産業界M&A相談センターは、成約事例を載せていません。
  • 日本M&Aセンターの不動産系162件に、規模と価格がありません。
  • M&Aキャピタルパートナーズは、料金ページに最低報酬がありません。

面談で必ず聞くこと

  • 「私の売り方と金額なら、報酬は税込でいくらですか。途中で払う額と、不成立時に戻らない額も、書面でください」
  • 「報酬の計算のもとは何ですか。負債や預り金、退職金を含めますか」
  • 「担当者本人の不動産会社の成約は何件ですか。株式譲渡と事業譲渡の内訳も教えてください」
  • 「売却後の免許の変更届、専任の宅建士、保証協会、管理受託契約のオーナーの承諾は、誰がいつまでに動きますか」

どこから話を聞くか迷ったら、相談先診断で絞り込んでから面談を入れてください。

詳しい判断と根拠を読む

線を引いた理由

選び方の基準は、料金を公式に確認できるか、不動産会社の売り手の公開事例が5件以上あり規模か価格がそろうか、の2点です。5件という線は、当サイトの判断です。14社に同じ線を当てました。

会社料金を公式に確認不動産の売り手の公開事例
ReSMA料率は図。最低報酬なし譲渡金額つき13本。ほかに3件
インテグループ料率表。最低1,500万円不動産区分10件。売上規模つき
M&Aベストパートナーズ料率表。最低2,000万円10件。売上高つき
不動産業界M&A相談センター料率表。最低200万円確認できず
経営承継支援料率表。最低1,000万円確認できず
M&Aサクシード料率5%。最低1,000万円売り手が不動産業の事例は1件
M&Aキャピタルパートナーズ料率表。最低報酬は登録DBのみ2件。売上高のみ
M&A総合研究所料率表。最低2,500万円確認できず
ストライク料率表。最低2,000万円規模の記載なし
日本M&Aセンター料率表。最低2,000万円規模・価格の記載なし
オンデック料率表。最低2,000万円1件。規模の記載なし
バトンズ・トランビ売り手無料か、定額の有料支援掲載の件数のみ
事業承継・引継ぎ支援センター相談は無料業種別の件数は非公開

3社が残ったあとは、規模で分けました。ReSMAは1,000万円を超える部分が一律10%です。1億円では1,090万円です。最低1,000万円の経営承継支援とM&Aサクシードは、報酬が1,000万円です。ReSMAは9,100万円付近で、この2社と並びます。ReSMAの公開事例の最高は2,500万円で、1億円は事例の外です。1億円で区切るのは、並ばれる点と事例の外になる点が、ここで重なるからです。

1,000万円で売る場合の報酬を、安い順に並べます。税別で、条件は各社の料金ページのとおりです。

  • ReSMA190万円(図の30%で計算)、不動産業界M&A相談センター200万円
  • 経営承継支援とM&Aサクシード1,000万円、インテグループ1,500万円
  • M&Aベストパートナーズ2,000万円、オンデック2,030万円(資料作成料30万円を含む)
  • 日本M&Aセンター2,100万円(着手金100万円を含む。中間金は含めない)、ストライク2,100万円(基本合意報酬100万円を含む)
  • M&A総合研究所とM&Aキャピタルパートナーズ2,500万円(後者は登録DBの最低報酬)

最低1,000万円以上の会社は、1,000万円の売却で報酬が譲渡額と同額以上です。インテグループの1,500万円は、税込で1,650万円です。譲渡額を上回ります。

ReSMAと不動産業界M&A相談センターは、1,100万円で並びます。1,100万円までは、ReSMAが安くなります。1,100万円を超えると、相談センターが安くなります。ReSMAを図の例の35%で読むと、並ぶのは975万円です。その場合、1,000万円では相談センターが5万円安くなります。5,000万円では、ReSMA590万円に対して相談センター460万円です。1億円では、ReSMA1,090万円に対して相談センター800万円です。

3億円では、インテグループとM&Aサクシードが1,500万円です。ReSMAは3,090万円で、相談センターは1,800万円です。5億円では、ほとんどの会社が2,500万〜2,800万円で、ReSMAは5,090万円です。

手取りは、取得費1,000万円を入力して計算します。譲渡額の5%と大きい方を使います。3,000万円で売ると、ReSMAは約2,252万円、M&Aサクシードは約1,717万円です。1億円では、ReSMA約7,216万円、M&Aサクシード約7,295万円、インテグループ約6,857万円です。相談センターは約7,470万円です。3億円では、ReSMA約21,502万円、インテグループとM&Aサクシードは約22,895万円です。

負債の例を挙げます。譲渡額1億円・負債総額7億円で、各社の基準に当てはめました。日本M&Aセンターは、移動総資産8億円に料率を掛け、成功報酬3,700万円です。負債7億円なら簿価総資産は2億円を超え、着手金は200万円以上です。足すと3,900万円以上で、中間金の有無は公式に書かれていません。インテグループは1,500万円、M&Aキャピタルパートナーズは2,500万円です。経営承継支援とM&Aサクシードは1,000万円です。どれも最低報酬のままです。

状況別:私ならこうする

社長1人・従業員なしの小さな会社を、免許と法人格ごと売る場合。 私は、ReSMAに聞きます。公開事例の譲渡金額は、ブログ13本で150万〜1,100万円です。ReSMAの事例では、買い手が免許番号の更新回数を評価しています。免許番号を5番以上、10番以上と書く例があります。免許は、更新のたびに数字が増えます。事業を休止して1年以上たつと、免許は取り消されます。私は、営業をやめる前に動きます。

管理物件のある賃貸管理会社を、会社ごと売る場合。 株式譲渡なら、管理受託契約の当事者は変わりません。供託や保証協会の加入も、会社に付いたまま続きます。買い手は、契約書に支配権の変更や解約の条項がないかを見ます。令和7年度の立入検査で、是正指導が最も多かったのは、管理受託契約の締結時の書面の交付義務違反です。私は、買収監査の前に、契約書と重要事項説明の綴りを整えます。

管理物件を含む事業だけを売る場合。 事業譲渡では、管理会社が買い手に変わります。契約上の地位の移転には、オーナーの承諾が要ります。承諾しないオーナーの物件は、移りません。買い手は、自分の免許と登録で営みます。営業保証金の供託か保証協会への加入も、買い手が自分で行います。営業保証金は主たる事務所で1,000万円、保証協会の分担金は60万円です。ReSMAの事例には、個人事業は宅建業免許を引き継げないが、管理物件だけでも事業を引き継げると書く例があります。私は、オーナーへの告知の時期を、買い手と先に決めます。

売上数億円以上の会社を、同業大手や上場企業に売る場合。 私は、インテグループとM&Aベストパートナーズに、同じ規模の事例を聞いて比べます。M&Aキャピタルパートナーズは、売上約100億円の事例があり、不動産のチームを置きます。ただし、最低報酬は公式で確認できません。個人保証の扱いは、先に買い手と決めます。オンデックの事例は、代表の連帯保証の解除が希望条件の一つでした。

気にしなくていいこと

  • 掲載案件の数。 バトンズの「不動産」2,270件は、掲載の数です。M&Aサクシードの278件、トランビの216件も同じです。成約の数でも、買い手の数でもありません。
  • 全業種の成約件数。 ストライクの3,700件は、不動産以外を含む会社全体の表記です。ReSMAの「のべ200件」は不動産だけですが、成約か相談かの区別がありません。
  • 宅建業者の数。 133,727業者は、12年連続で増えています。免許を新しく取る人が多いからです。免許と法人格が中心の会社は、ReSMAの募集案件で200万〜350万円の例が多くあります。
  • 倒産件数。 不動産代理・仲介業の2025年の133件は、負債1,000万円以上の法的整理です。あなたの会社の価値は決まりません。

言いにくいことの根拠

ReSMA。 料金ページの図は、譲渡金の0〜200万円が0%、200〜500万円が30%です。500〜1,000万円は20%、1,000万円超は10%です。図の例は、譲渡金700万円で手数料145万円です。計算は、200万円×0%、300万円×35%、200万円×20%です。200〜500万円の料率が、図と例で合いません。買い手の手数料は、公式に記載がありません。

不動産業界M&A相談センター。 料金ページの成功報酬は、売買金額に応じた累進率です。最低額は200万円です。成約事例と成約件数は、確認できませんでした。運営会社は、不動産一括査定サイトのリビンマッチも運営します。登録DB(2026年4月)に社名が見つかりませんでした。

インテグループ。 成功報酬の最低額は1,500万円(税別)です。「不動産」区分の成約実績10件は、売上規模と目的を載せ、譲渡額を載せていません。同社の成長可能性の資料(2026年6月)は、譲渡金額3,000万円未満をほぼ扱わないと書きます。

M&Aベストパートナーズ。 最低報酬は2,000万円です。基本合意の締結時に、中間報酬(250万円か成功報酬の10%)が発生します。事例10件は、地域と売上高だけで、価格がありません。専任契約を採用しています。

日本M&Aセンター。 不動産・ビルメンの成約実績一覧は402件で、年月・業種・地域だけです。売り手の業種名が不動産系の162件に、規模と価格がありません。決算説明資料は、小規模案件をグループ会社へ紹介する運用を書いています。報酬は時価総資産が基準で、着手金は100万円以上です。

M&Aキャピタルパートナーズ。 料金ページに、最低報酬の記載がありません。登録DB(2026年10月確認)の最低手数料は2,500万円です。不動産のチームの事例は、売上高の記載があり、価格の記載がありません。

第一候補の確認点。 ReSMAの専従者は、登録DB(2026年4月)で5名です。アドバイザー4名のうち、宅建士と書くのは2名です。インテグループの専従者は、同じ登録DBで43名です。

判断の根拠にした実態データ

判断根拠にしたデータ
株式譲渡なら免許が会社に残る東京都の免許の案内。宅建業法
事業譲渡の免許の引継ぎ規定がない宅建業法の条文を検索
免許番号の括弧は更新回数国土交通省のデータ項目の説明
専任の宅建士は5人に1人以上宅建業法第31条の3、施行規則
宅建士の欠員は2週間以内に補う宅建業法第31条の3第3項
営業保証金1,000万円、分担金60万円宅建業法施行令第2条の4・第7条
賃貸住宅管理業は200戸以上で登録賃貸住宅管理業法、施行規則第3条
管理受託契約の移転にオーナーの承諾民法第539条の2
管理受託契約の書面不備が最多の指導国土交通省の立入検査結果(令和7年度)
不動産業の後継者不在率は51.1%帝国データバンク(2025年11月21日)
宅建業者は133,727業者国土交通省(令和8年3月末)
不動産業・物品賃貸業で売上1億円以上は約1割令和3年経済センサス
売り手が不動産系の成約は162件日本M&Aセンターの成約一覧(当サイト集計)

手数料は税別、手取りは手数料を税込で差し引いた試算です。手取りは、個人の株主が株式を売り、20.315%の税率がかかる前提です。2027年以後に売る場合で、事業譲渡・個人事業には当てはまりません。ReSMAは、料率の図(200〜500万円は30%)で計算しました。不動産業界M&A相談センターは、基準を株式の譲渡額(事業譲渡なら対価)として計算しました。日本M&Aセンターは、負債0・簿価総資産2億円以下の100万円の着手金で計算しました。ストライクは、基本合意報酬100万円を含めました。オンデックは、資料作成料30万円を含めました。M&Aキャピタルパートナーズは、登録DBの最低報酬で計算しました。買い手が払う費用と、外部専門家の費用・実費は、どの試算にも含めていません。

売却額を選ぶ

計算の前提株式の譲渡額を入れ、各社の料金表の基準(オーナー受取額・総資産など)には負債0として当てはめています。「前提つきの試算」は、着手金が資産額で変わるなどの前提を置いた金額で、前提は各社のページにあります。評価の順番ではありません。

金額の見当がつかない → 相談先診断

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BATONZ(バトンズ)(最低 200万円)・TRANBI(トランビ)

※は前提つきの試算です(前提は各社のページ)。事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料(紹介された民間機関を使う場合は、その機関の手数料)。

1億円なら:最低報酬の差がそのまま手数料の差になります。大手仲介だと譲渡額の2〜2.5割です。費用を抑えたいなら最低報酬を、実績を重視するなら同じ業態の公開事例を比べてください。

負債を含む資産の総額に料率を掛ける会社は、料率で計算した額が最低報酬を超える範囲で、借入金などの分だけ高くなります。負債も入れて計算する/相談先診断で絞る

14の相談先を公式情報で調査(確認 2026-10-07)。現在、掲載会社から広告料・紹介料は受け取っていません。

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仲介会社10社

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赤字・債務超過でも会社は売れるか赤字や債務超過でも、技術・取引先・人材・許認可で買い手がつくことはあります。難しい場合、経営者保証の扱い、公的な窓口と再生の道まで。会社を売るときの流れと期間:相談から入金まで相談から入金、引継ぎまでの10の段階を順に説明します。各段階で社長がやること、かかる期間の目安、手数料を払う時期も。会社を売ったら税金はいくらかかる?株式譲渡と事業譲渡の違い株式譲渡は社長個人に約20%、事業譲渡はまず会社に法人税と消費税がかかります。役員退職金を組み合わせる考え方も国税庁の資料で整理。会社を廃業する手続きと費用(解散・清算の流れ)会社を畳むときの解散・清算の手続きを、法務局・税務署・年金事務所など窓口ごとに整理。登記と官報の費用、期限、個人事業主の廃業届まで。廃業か、売却か。会社をたたむ前に比べること会社をたたむ前に、廃業・売却・親族への承継・社員への承継の4つを比べます。費用と手間、赤字でも売れるか、判断の順番まで。事業承継・M&A補助金のしくみ(2026年・16次公募)仲介手数料の一部が補助される専門家活用枠を中心に、4つの枠の上限額・補助率、手数料が対象になる条件、日程と準備をまとめました。M&Aの契約書で売り手が確かめること(秘密保持・基本合意・最終契約)秘密保持契約、基本合意書(LOI)、株式譲渡契約書などの最終契約で、売り手が条項ごとに確かめる点を、中小M&Aガイドラインをもとに整理。後継者がいないときの選択肢と、最初の一歩後継者がいない会社は全国で約半分です。親族・社員・第三者・廃業の4つの道と、何年前から準備するか、相談先の違いをまとめました。M&Aマッチングサイトの比較と使い方(売り手の費用・有料サポート)バトンズ、トランビ、M&Aサクシードなどのマッチングサイトと、公的な後継者人材バンクを、売り手の費用と有料サポートの額で比べました。M&A詐欺・悪質な買い手の手口と見分け方経営者保証を外さず会社のお金を移す買い手など、国が注意を出した手口と、契約の前に見分ける点、売り手を守る条項をまとめました。社員や取引先にはいつ伝える?売却を知られないための進め方売却を誰に・いつ伝えるかは段階で分けます。国のガイドラインをもとに、秘密の守り方と幹部社員への伝え方をまとめました。会社の売却相場の考え方:何倍で売れるのか、どこで決まるのか会社の値段の決まり方を、国の統計と算定方法で説明します。年買法・純資産+営業権・倍率・DCFの考え方と、値段が上がる・下がる要因まで。M&A仲介会社・FAの選び方:比べる7つの点と、面談で聞く質問仲介会社やFAを選ぶときに比べる7つの点を、国のガイドラインと各社の公開情報で説明します。面談でそのまま使える質問リストつき。M&Aのトラブルと悪質な買い手・業者を避けるには国が公表した注意や登録取消し、悪質な買い手の典型、しつこい営業電話の止め方、契約で揉めやすい点、困ったときの公的な窓口まで。M&A用語集:社長が最初に知っておく40語手数料、値段の決め方、売るまでの手続き、契約の4つに分けて、M&Aでよく出る40語を「ひと言で」と「社長にとっての意味」で説明します。
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